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スクープ 千代田化工が1000億円規模の金融支援要請

1/17(木) 9:52配信

日経ビジネス

 エンジニアリング大手の千代田化工建設が総額1000億円規模の金融支援を要請していることが日経ビジネスの取材で17日、分かった。千代田は米国の液化天然ガス(LNG)プラントの工事費用がかさみ2018年4~9月期に1086億円の最終赤字を計上。自己資本比率が12.7%まで低下し、財務の立て直しが喫緊の課題になっていた。今期中の資本増強を目指し、筆頭株主の三菱商事のほか、国内外の同業他社や投資ファンドに支援を打診している。

【関連画像】千代田化工建設は海外のLNGプラント建設で実績を積んできたが……(写真は同社が手掛ける米LNGプラント「フリーポート」、Freeport LNG Development, L.P.提供)

 千代田側はJPモルガン証券をファイナンシャルアドバイザーに指名し、第三者割当増資による資金の出し手を募っているもよう。1000億円規模と巨額の支援要請とあって、資金力のある海外の投資ファンドを中心に声がかかったが、多くのファンドが「プロジェクトものは業績が不安定」と支援に慎重な姿勢をみせている。千代田は33.39%を出資する筆頭株主の三菱商事を通じて三菱重工業にも話をもちかけたが、三菱重工も難色を示し、現状では有力な支援先は見つかっていない。

 支援先探しが難航しているのは、プラントビジネスの事業管理が難しいからだ。工事が順調に進捗しても、粗利益率は10%前後であることが多い。一方で工事に不具合が起きたとたんに数百億円単位での損失が発生する。三菱重工幹部は「千代田が過去にも経営危機に陥ったときに、当社のプラント部門と統合するという話があったが断った。リスクが高いビジネス同士を一緒にしても、マイナスになるだけ」と指摘する。

 だが、千代田はなんとしても資本増強で自己資本比率を回復させる必要がある。大型案件を受注するには、数年かかるプロジェクトの遂行能力を保証するために、30%程度の自己資本比率が求められることが多いからだ。現状のままでは新規受注に影響を及ぼしかねない。仮に1000億円の金融支援を受けることができれば、純資産は18年3月末時点と同規模の約1500億円に回復し、自己資本比率は30%超に回復するとみられている。

 千代田はプロジェクトで大きな損失を出す度に筆頭株主の三菱商事に追加支援を求めてきた経緯がある。今回も三菱商事はある程度は応じる考えがあるとみられるが「支援規模は最小限にとどめたいようだ」(関係者)という声もあり、同社が筆頭株主であり続けるかは不透明だ。

 千代田は3月末までに支援先を見つけるとしており、残された時間は多くない。業界関係者からは「支援先を国内で見つけるのは難しいのでは」との声もある。国境をまたいだ再編の引き金となる可能性もある。

長江 優子

最終更新:1/17(木) 11:09
日経ビジネス

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