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ヤマトDM配達は時給換算「400円」、実質で最低賃金を下回り不満噴出

1/23(水) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 次々と明るみになる不祥事の背景にはいったい何があるのか――。

 ヤマト運輸は1月8日、岐阜県内の営業所において、「クロネコDM便」(企業が発送するダイレクトメールなど)が約2万3000冊、未配達だったと発表した。この営業所の委託配達員(ヤマトではクロネコメイトという。以下、メイト)が2004年から18年の間に請け負ったDMの一部を、配達せず自宅にため込んでいたことが、DMを発注した荷主からの連絡で判明したのだ。ヤマトは「該当する荷主にお詫びし、全社一丸となって再発防止策に取り組む」という。

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 だが、こうした話は初めてではない。過去にも同様にDMの大規模未配達が明らかになっている。

 例えば一昨年は青森県で、約1万5000冊の未配達があった。12年~17年の間、配達員がDMを自宅に持ち帰っていたのがアパート隣人の通報により発覚したのだ。この件で営業所や支店の幹部4人が、配達員に対する稼働状況の確認や定期的指導を怠っていた責任で減給の処分を受けている。(この件を含むヤマト運輸の懲戒事案については「週刊ダイヤモンド」2018年8月25日号(「ヤマト宅急便不正の実態」)で詳細を報じている)

 どうして不祥事は繰り返されるのか。首都圏のある営業所で長年働くクロネコメイトは、「配達員の怠慢だけが原因とは思えない。メイト業務の仕組みや給料、働き方全般の問題が根底にある」と語気を強める。

● DM配達単価は1通あたり平日18円

 業務内容は大まかにはこうだ。

 毎朝、ヤマト営業所のドライバーやスタッフがメイトの自宅に50通から多い時では100通ほどのDMを届けに来る(量は地域やメイト個々人によって異なる)。DMは旅行会社の広告冊子や百貨店の中元・歳暮の案内、通販会社のカタログなど多岐にわたる。

 それを徒歩や自転車で宛先の住所に届ける(バイクや軽車両を使うこともある)。郵便受けに投函すればいいので住人のサインをもらう必要はない。

 メイトは営業所近辺に住む主婦が多い。給与は出来高制で、配達単価は1通あたり平日18円、土日が23円(地域によって異なる)。子供の習い事の費用や、小遣い稼ぎが目的の人が多いという。

 実際、求人広告の謳い文句は「誰でも出来る簡単な仕事です」「事務所に通勤しなくてOK」「働く時間は自由です!」など家事の合間に手軽にできて、拘束性が低いことを強調している。

 ところが、「最近は辞める人が多くて、新しく入る人もいない。補充人員が見つからないとメイト一人当たりの配達量や担当区域を広げるしかなく、メイトも営業所もかなり困っている」(前出のメイト)。

 人が集まらない理由の一つは賃金が低いからだという。DMを配達するにはまず、住所別などに仕分けし、地図を見ながら配達ルートを考える作業が発生する。単に配達している時間だけなら1時間強だが、そうした準備・片付けを含めた総労働時間は2時間から3時間弱になる。そのため出来高を時給に換算すると400~500円程度で最低賃金よりも低くなるというのだ。

 確かに一般的なパート・アルバイトに比べれば拘束性は低く、自由な働き方とも捉えられる。ただ、決して「楽な仕事」というわけでもない。真夏の炎天下だろうと大雨の日だろうと配達は行わなければならないし、DMを適切に保管する義務もある。

 近年は雇用情勢の改善が続き、有効求人倍率が上昇しているのは周知のとおりだ。それに伴い人手不足感が強まり、パート・アルバイトの時給は増加傾向にある。ところがクロネコメイトの配達単価は上がっていない。要するに、地域の主婦が魅力的に思うような職は他にいくらでもある状況だ。

● 給与に換算されない業務が加わった

 ヤマトでは宅急便荷物の急増とドライバーの人手不足を背景に、2017年秋、値上げに踏み切った。そして違法なサービス残業が常態化していた配達現場を適正化しようと、全社を挙げて働き方改革に取り組んでいる。しかしそうした動きからDM業務、クロネコメイトは取り残されている。

 むしろ最近、給与に換算されない負荷を助長する業務が加わった。もともと宅急便のドライバーが運んでいた「ネコポス」を、メイトが配達するようになったのだ。

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