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インフルエンザで会社を休むと給料は貰えるのか? (榊裕葵 社会保険労務士)

1/25(金) 6:32配信

シェアーズカフェ・オンライン

具体的には医師から出社可能の診断書が出ているにもかかわらず、会社からなお自宅待機を命じられた場合、家族がインフルエンザに感染していることを理由に従業員本人も念のため自宅待機を命じられたというような場合です(経営者側の人は納得できないかもしれませんが)。

ただし、医師の診断書に反して出社しようとしたり、高熱で正常な労働を提供できないにも関わらず無理に出社をしようとしたりする場合は別です。会社は「不完全な」労働の提供を受領する義務はありませんので、従業員に自宅待機を命じても、これに対する休業手当は発生しないことには注意が必要です。

このようなケースは雇用契約に付随する使用者の「安全配慮義務」の観点からも、体調不良の社員を会社が働かせてはならない法律上の正当性が説明できますので、やはり休業手当の支払いは発生しないということになります。

■公的保証が受けられる場合も
第2は、健康保険から「傷病手当金」が支払われる場合です。

傷病手当金とは、私傷病により勤務ができず、これに対する賃金が支払われない状況が3日以上連続して続いた場合に4日目以降、最大1年6か月まで元の賃金の約3分の2が支払われる制度です。

インフルエンザによる就労不能が4日以上になった場合は、加入している健康保険制度に対し、傷病手当金の請求をすることができます。傷病手当金の対象とならない1日目~3日目までは有給休暇を利用し、4日目以降は傷病手当金を申請するという「合わせ技」も可能です。

人それぞれ生活がありますので、減給を避けるために無理を承知で出勤をするという考え方も全否定はできません。しかしインフルエンザを悪化させてしまったり、同僚にうつしてしまったりすることは望ましくありませんから、金銭面においては、この傷病手当金があることも忘れないようにしてください。

冒頭で紹介したインフルエンザによる体調不良で駅のホームから転落したようなケースもありますので※、通勤途中の安全確保という観点からも無理な出勤は控えるべきです。
※執筆時点ではインフルエンザの罹患は確認出来ているものの、転落の原因かどうかは未確定のようです。

■まとめ
インフルエンザにかかってしまった場合、無理をせず、まずは体調の回復を最優先すべきであることはいうまでもありません。その際、金銭面での心配をしないで療養に集中できるよう、有給扱いにできる場合や、傷病手当金などで補償を受けられることを覚えておくと良いでしょう。


榊裕葵 ポライト社会保険労務士法人 マネージング・パートナー 特定社会保険労務士・CFP

【プロフィール】
上場企業の経営企画室等に約8年間勤務。独立後、ポライト社会保険労務士法人を設立。勤務時代の経験も生かしながら、経営分析に強い社労士として顧問先の支援や執筆活動に従事。近年はHRテック普及支援にも注力。

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最終更新:1/25(金) 6:33
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