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高齢者に多発する「食事中の窒息」 認知症や奥歯の噛み合わせとの関連性とは?〈週刊朝日〉

2/4(月) 8:00配信

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「食べることが難しくなった」という方の4人に1人は認知症が原因といいます。「口から考える認知症」と題して各地でフォーラムを開催するNPO法人ハート・リング運動が講演内容を中心にまとめた書籍『「認知症が気になりだしたら、歯科にも行こう」は、なぜ?』では、日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長で日本歯科大学教授の菊谷武歯科医師が、認知症の方に対する歯科の役割を解説しています。

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 認知症の方に食事を勧める際、食べもの自体にアピール力をもたせるとうまくいく場合が多いです。しっかりと濃い目に味をつける、色でメリハリをつける、良い香りをつける、冷たいものは一層冷たくするなどの工夫で、食が進みます。老人ホームでカレーライスが人気な理由もここにあります。食器についても配慮が必要です。認知症の方にとっては、食べものと食器の色や柄が区別しづらいことがあるからです。食器の柄が食べものに見えてお箸でつついたり、白いお椀に盛られたご飯がわからずに手をつけなかったり。食べものだと認識しやすいような食器に盛りつけましょう。

 また、食事中の音にも注意が必要です。テレビを大音量でつけていたり、コミュニケーションを取ろうとして過剰に話しかけたりすることも、認知症の方にとっては「情報過多」となり邪魔になってしまう要素です。過剰な団らんよりも静寂のほうが食事に集中できることが多いのです。

■危険な認知症の方の窒息事故

 窒息死は、交通事故死の倍の1万人以上もいると言われています。3年間、486人の高齢者の追跡調査をしたところ、実に51人もの方に窒息の経験が確認されました。詳しくみると、奥歯の噛み合わせが悪い方、認知機能が低下している方、食事を自分で食べている方に窒息事故が多いことがわかりました。

 認知症では、早食いや詰め込みすぎの方がよくみられます。「ゆっくり食べて」と言ってもどんどん自分の口に運んでむせてしまうのでとても危険です。料理を一口サイズに盛りつける、持ち上げて掻き込むことができない食器に変える、など工夫するとよいでしょう。しかし万策尽きた場合には、ペースト食などの誤ご嚥えんや窒息のリスクが少ない食形態に変更する必要もあります。

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最終更新:2/4(月) 8:00
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