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「三女」になった里子が家族に溶け込めたワケ

1/28(月) 6:20配信

東洋経済オンライン

 なんのためにわざわざ「家族会議」をするのか。家族であれば普通に話したりケンカをしたりすればいいじゃないか。そんな声を時折聞くことがある。だが、親から子、年上から年下に向けて、一方通行の「対話」が行われがちなのが、家族というものだ。親も子も兄弟姉妹も、フラットな状態でそれぞれの声に耳を傾けるには「会議」という他人行儀な場が意外と役に立つ。一歩引いて家族を見ることが、その仲を深めてくれることがある。

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■「里親になろうと思うけれどどう思う?」

 齋藤家には10代の3姉妹がいる。1人は畑仕事、1人は漫画、1人はサッカーに夢中だ。放課後や休日はそれぞれ思い思いに過ごしておいるが、ときおり母の直巨(なおみ)さんからこんな声がかかる。

 「ちょっとみんな集まってくれる? 話がしたいんだ」

 「やれやれ、また始まった……」そう思いながらも、娘たちはぞろぞろと居間に集まる。

家族構成:齋藤家
父:竜さん 母:直巨さん 長女(18歳) 次女(13歳) 三女(12歳)

家族の課題:3歳でうちにきてくれた三女に本当の仲間になってほしい
 「先日の家族会議のテーマは夫婦ケンカ。親のケンカだけじゃなくて、誰かケンカしてる人がいたら、すぐほかのメンバーが集められるんです。それで、『お父さん、今の言い方はいくら何でも言い過ぎ』とか周りが分析するんです」と長女が説明してくれる。

 齋藤家の家族会議歴は長い。上2人がまだ未就学児のころから、家族の問題、学校選び、進路など困ったことがあると会議を開いてきた。夫妻が当時2歳だった三女の里親になることを考えたときも、満場一致の家族会議で彼女を迎えることを決めた。

 「むしろ娘たちの方が積極的でしたね。以前から、世の中には親と暮らしたくても暮らせない子がいるという話や、『私たちに何ができると思う?』という話をニュースを見ながらしていました」(直巨さん)

 たとえ幼くても、情報をしっかり与えていれば、子どもは自分で考えることができる。重要なことを親が一方的に決めてしまうより、子どもの意見をちゃんと聞く方が将来ずっと子どもたちのためになる、というのが齋藤家のモットーだった。

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