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アジアカップ決勝、日本の不安はCB? カタールはイラン以上、難敵相手にまず意識すべきこと

1/30(水) 12:21配信

フットボールチャンネル

日本代表は2月1日、AFCアジアカップ2019決勝でカタール代表と対戦する。かつてのイメージとは異なり、カタールはバルセロナのアカデミーでの指導経験を持つ監督の下でモダンなサッカーを展開している。今大会でも強さを見せており、その実力はイラン以上とも言える。そんな難敵を相手に、森保ジャパンはどのように戦えばいいのだろうか。(取材・文:元川悦子【UAE】)

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●日本代表を取り巻く全ての人が再認識すべき

「2019年アジアカップ(UAE)事実上の決勝戦」と評された28日のイラン戦(アルアイン)を3-0で勝利し、8年ぶり5度目のアジア制覇に王手をかけた日本代表。彼らが2月1日にアブダビで迎えるファイナルの相手がカタールに決まった。

 29日夕方、アブダビで行われたもう1つの準決勝・UAE対カタール戦は、地元UAEが圧倒的に有利と目された。UAEの指揮官が2011年アジアカップ(カタール)で日本を頂点へと導いたアルベルト・ザッケローニ監督ということもあり、長友佑都(ガラタサライ)や吉田麻也(サウサンプトン)ら教え子たちも「UAEに上がってきてほしい」と熱望していた。

 ところが、UAEは前半の入りが悪く、前半のうちから2失点。後半は反撃に打って出たが、強固なブロックを敷くカタール守備陣を攻略し切れず、逆にDFにミスから2ゴールを献上。終わって見れば、カタールの4-0圧勝という予想外の結果となった。

 ザック監督は「全ては監督である私の責任。UAEで15ヶ月仕事をしてきたが、契約は今大会まで」と落胆した表情で語った。その姿が2014年ブラジルワールドカップ惨敗時と重なり、会見場に詰めかけた多くの日本メディアからため息が漏れた。実際、カタールはそれほどまでに強かった。イランと同等かそれ以上の難敵であることを、日本代表を取り巻く全ての人が再認識すべきだろう。

 自国開催の2022年ワールドカップに向け、バルセロナのアカデミーでの指導経験を持つカタルーニャ人のフェリックス・サンチェス監督を2017年に招聘したカタールは、以前とは比べ物にならないモダンなサッカーを展開している。もともと中東勢は堅守速攻スタイルを得意としていたが、今大会のカタールはスペイン流のボール回しもできる柔軟なチームだ。

●怪我人が出た日本

 UAE戦でも前半22分の先制点はカウンター、37分のアルモエズ・アリ(アル・ドゥハイル)の2点目は3人の選手がダイレクトパスをつないでDFの背後に抜け出して決めた連係によるもの。後半の2ゴールは相手のミスを突くゴールだったが、とにかく多彩な攻めを仕掛けることができる。6試合通算16得点という数字からもカタールの攻撃力の高さがよく表れている。それを封じない限り、日本が頂点に立つ夢は現実にならないはずだ。

 決勝トーナメントに入ってから、サウジアラビアとベトナムに1-0、イランに3-0と無失点ゲームを3試合連続で続けている日本だが、失点につながりそうなミスは毎回のように犯している。イラン戦の前半22分にも、権田修一(ポルティモネンセ)が遠藤航(シントトロイデン)に出したタテパスをアシュカン・デジャガ(トラクトル・サジ)に拾われ、最終的にサルダル・アズムン(ルビン・カザン)に決められそうになるピンチも招いた。これは権田のセーブで事なきを得たが、万が一、ゴールを許していたら試合の行方がどうなっていたか分からなかった。

 アジアカップ初のファイナル進出を果たしたカタールはより決め手のあるチーム。小さなミスは命取りになる。そこはキャプテン・吉田麻也(サウサンプトン)を中心に守備陣全体が共有していく必要がある。

 日本はイラン戦で左太もも裏肉離れを負った遠藤の欠場が決定的で、右サイドバックの酒井宏樹(マルセイユ)も右足を負傷している。29日には2人揃って病院で診断を受け、酒井の方は異常なしとの診断を受けたが、コンディションは万全でないことは確か。状態を見ながらではあるが、室屋成(FC東京)のスタメン出場もあり得る。

●カタールの前線は突破力とスピードがある

 ボランチは頭から塩谷司(アルアイン)で行くことが確実視されるが、守備陣の構成が変われば、微妙にリズムや間合いも変化してくる。そこを相手に突かれないようにしなければならない。

「試合に出るとなったら準備はできてますし、やれる自信はある。チームが勝てるためにどんな形でも貢献できればいい」と室屋が言えば、塩谷も「最後ファイナルでもう1試合、自分にできることをやりたいなと思います」意欲を新たにしていた。新たな編成になる可能性のある守備陣がどこまで組織的かつ連動性のある守りを見せられるのか。日本としてはまずそこに強くこだわるべきだ。

 イランの場合は1トップのアズムン目掛けてロングボールを蹴り込むスタイルが主流だったが、カタールの場合はとにかく前線に突破力とスピードがある。アルモエズ・アリの鋭い動きは脅威だし、左右のワイドでプレーするアクラム・アフィフ(アル・サッド)も素早い動きで敵陣に飛び込んでくる。日本の場合、酒井や室屋、長友らのスピード対応は問題ないものの、吉田と冨安健洋(シントトロイデン)の両センターバックはやや速さに不安がある。相手に単純な走りの競争に持ち込まれてしまうとかなり劣勢だ。

 そうなる前にキッチリと対処できれば、ここ3試合同様に守りの安定感が生まれ、相手も焦りをにじませるはず。そうやって精神的に追い込めれば、国際経験で上回る日本は優位に試合を運べる。そうやって自分たちのペースに持ち込むことが肝要だ。

 カタール代表のコーチングスタッフも務めるシャビ(アル・サッド)は今大会優勝国をカタールだと予想しているが、日本としては、過去4度の優勝経験、そして2018年ロシアワールドカップ16強国の意地と誇りに賭けても絶対に負けられない。元スペイン代表の名手の思惑をいい意味で裏切るような戦いをすべく、残り2日のアブダビでの準備期間で最高の状態を作り上げてほしいものだ。

(取材・文:元川悦子【UAE】)

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最終更新:1/30(水) 12:21
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