ここから本文です

2019年2月2日 15年前の日記

2/3(日) 6:05配信

幻冬舎plus

辛酸なめ子

「タイムウェーバー」というマシーンでトラウマを受けた日時が出たので、過去の日記などを探したら2004年のものが出てきました。今よりもかなり波動が低めで、汚泥の中を這い回っていたような精神状態でした。この機会に、いくつか再掲載させていただきます。 

2004年05月10日 今日の霊言
今日、久しぶりに寝ているところに 霊体? がやってきて耳元で話しかけられました 。左肩に痺れのような物を感じていたら、耳の奥で声が・・・ 。よく、伸びをした時に耳の中でゴーッという音がしますよね、それが、なんとなく言葉になっている感じです。人間の体から出ている気について教えられましたがよく聞き取れませんでした。
指先から出ているとか何とか・・・
恐かったので目を開けたら、部屋中に青い粒子が・・・
何だったのでしょう  。
たとえ高次の存在にしても怖がらせるのはやめてほしいです 。

(当時は日当りの悪い狭い部屋に住んでいたので、霊体験率は高かったです)

2004年05月08日 今日の夢
卒業式の夢を見ました 。
なんと同級生に、岩佐真悠子と内山理名がいました 。
岩佐真悠子とは結構なかよくて、でも内山理名のガードが堅くてあまり親しくできませんでした
卒業式は、とても淋しかったです・・・  。
アイドルが同級生にいる卒業式がこんなに淋しい ものだったとは・・・  。
今まで一緒に学校生活を送っていた子も、明日から 手の届かないブラウン管や雑誌の中の人になってしまうのです  。
堀越学園や日の出女子の人の気持ちが少し分かりました 。

(ブラウン管という単語に時代を感じます)

2004年05月14日 怯え
今日、Yチャンピオンの仕事で編集者と会い、 会話の途中で、私は一つ前の話題に出たことを思いだそうと、小さな声で
「あれ、どうだっけ・・」などとつぶやいていて、 ふと見ると、編集者がすごく怯えた表情をしていた。
「ど、どうしたんですか!? 大丈夫ですか?」
「は?」と聞き返すと
「今、中空を見てブツブツ何か一人でしゃべってたから、どうかしちゃったのかと思いました!」
とのことで、私が正気に返ってホッとしているようでした。
狂人に思われかけたことはショックでしたが、人を怯えさせる快感に目覚めたので、これからもたまにやってみようかと思い、ウキウキして帰り道、ひとりでに笑みがこぼれ、傍目から見ると完全にやばかったと思いますが、笑顔を抑えることができませんでした。

(ノーコメントです)

2004年05月19日 セピアへ

丸くて黒い目の中には濡れたお星様
それは愛情のかけら
そんな目で見ないで……
私の心の奥の小箱が開いてしまうから
犬に包まれて、もうどうにでもして
四つん這いになって
my life as a dog....

(突然のポエムですが、セピアというのはレンタルドッグの店でよく借りていたヨークシャテリアです)

2004年05月31日 日曜日

日曜日、心霊学会の発表会と小倉優子のラクーアでの新曲お披露目が重なっていて迷ったけれどゆうこりんを取りました。
ゆうこりんはピンクの和服みたいな衣装で司会に何か誉められる度に「ありがとです!」と言っていました 。
新曲はわりとゆっくりめで、無難な曲。
炎天下の下立って見ているのが辛くなって移動しました。

(ゆうこりん再婚おめでとうございます)


2004年06月04日
04:05  エリの話
エリという二十七歳の女がいます 。
さっき、恵比寿の中華料理屋で、隣のテーブルにいた色白ややビッチ系の、やたら声が大きい女性です。
死ぬとか死なないとか、物騒な話が聞こえてきたので同じテーブルの知人と顔を見合わせて聞く体勢に入りました 。
「エリはね、ベルトで縛られて、裸のまま引きずられて… でも警察呼んだら過剰防衛って言うの」
と、彼氏か愛人との修羅場を延々と母親らしき露出度の高い後ろ姿の女性に訴えていたと思ったら、唐突に
「っていうかもういい。ママ見て。ほら、宇野千代の扇子買ったの。6300円。ママが言ってたでしょ、良いもの持ちなさいって」と背後で渋い扇子を出した気配。
最初の方から話を盗み聞きしていた知人によると、エリは社長令嬢の元モデルか何かで、しかし二十七という微妙な年齢が災いし、
「今の芸能界はミニモニみたいな若い子が主流で、三十すぎてブレイクした稀な例は高島礼子くらい」
と悟り、芸能界をやめて今お店か何かをやっているとのことです。
ここで、母親が、自分の顔を指し
「ここ、十仁でやったの」と本当にさり気なく整形を告白。
エリは「ママ、目もやんなよ! やんなよ! エリが十万なんとかするから」と煽ります。
後ろ姿が若い母親も、前から見るとかなり由紀さおりっぽいです 。
ここで、いきなりエリが
「とりあえずエリ長者万付けの十位以内に入るのが夢だから」
と、野望を語りはじめました。
「足りないときはパパの巣鴨銀行(巣鴨に家があるという意味?) から援助してもらえるし。家賃払わないで、でもやるべきことはやるから。十四万はキツいけど。五万貯金してる。金はあとからついてくるもんだから」
相槌を打つ母親は、夫に養われて今まで一回も働いたことがなさそうです。しかしエリは同じテンション(やたら業界っぽい、神田うのを悪くしたような喋り口調)で話し続けていますが、何かキメているのでしょうか。
「あたしはあたしでブランドだから。百円のTシャツ? 上等じゃん。ヒヨコの着ぐるみでも似合っちゃうの」
一瞬鶴太郎がよぎりますが、エリの独白は続きます。
「パパは、車はベンツ、時計はロレックスしか知らないし。エリはベントレー、ジャガー、ロールスロイスかな」
「芸能界では、股を開けば仕事もらえるけど、エリはそれができなかったの。てめえこのヤロウ(巻き舌)こんな仕事やれねぇって言っちゃって。体張ってる? たしかに張ってるかもね。それは見えない
ところでね。パパのノウハウ知ってるエリが企業やったら恐いものなし。 エリは今27だから30までにはとりあえず、億は無理かもしれないけど月3000はやりたいね! 売り上げ。その時はママ、店でもなんでもいいからやってよ。ママもイキイキ活躍できれば、今まで苦労かけたぶん エリは提供したいし。子どもの時はコノヤロウとかママに向かって言ってたよね」
というエリの殊勝な親孝行発言に母は
「本当に、私がこういう人間でよかったね」と自画自賛していて似たもの親子です。
「ママは多くを求めないよね。でも、パパとママが続いてくれたからエリの食いっぷちがあるわけじゃん」
「眠れない? 上等だっつーの。ママは一人で泣き言言わずにエリを育ててきてくれたわけじゃん。喘息になった時は苦しいから首絞めてくれって何度も言ったよね。」
娘も母も、基本的に社長である父親(別居中?)がたまにくれる小遣いで生きているようです。「二枚多く渡すのは男の心意気」とか言ってました。ここで母は恐ろしい自己正当化発言を…
「あの人がくれるお金を拒否したら可哀想じゃん。お金を渡すことで自分自身を浄化できるわけよ。」
ここでお店の会計が入りました。二人で三万円…フカヒレを食べまくったのでしょうか。
驚いたことに母親は全く財布を見せるそぶりもなくエリが払っていました。さらに母親は帰りのタクシー代もなく、エリがお金をあげていました。
もしかして、この家族で一番狡猾で悪いのは母親。。。
最後にエリは、「彼氏がバイアグラ飲んでがんばってくれたらバケツ一杯の鼻血を出した」というエピソードを披露したので油断できませんでした。
「でもママがママで良かったよ」と甘え口調のエリ。
幸不幸はどうであれ、こんな何でも言い合える母子関係に羨望の念を抱かされました。
そのあと、場所を喫茶店にうつして「エリの人生」について三人で二時間くらい語りました
仕事の話はどこへ・・・
エリとママは来月はすっぽんを食べに行くそうです
次はすっぽんん屋で打ち合わせを・・・

(このような経験があると、人と会っているときも隣の会話をつい聞いてしまう癖が。エリさん今頃は40代。華やかな大人の女性になっていそうです)

 昔の日記で失礼いたしました……。

2004年頃、植物園でウツボカズラを撮りまくっていた写真が発掘されました。


■辛酸なめ子
東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。巫女的な感性であらゆる事象を取材しまくる驚異のフィールドワーカーとして知られる。著書は『辛酸なめ子の現代社会学』『次元上昇日記』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)、『辛酸なめ子のつぶやきデトックス』(宝島社)、『アイドル処世術』(コア新書)、『絶対霊度』(学研)など多数。

最終更新:2/3(日) 6:05
幻冬舎plus

あなたにおすすめの記事