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『ドラゴンボール』が全米で大ヒット。次にブレイクする日本映画・アーティストは?

2/3(日) 8:31配信

HARBOR BUSINESS Online

 映画『ドラゴンボール 超 ブロリー』が1月に全世界公開され、全米映画興行成績でトップ5に入る大ヒットを記録している。そこで今回は、海外エンタメの世界で、今後の「日本発」のヒットになりそうなものを検証していきたい。

◆エモい若者に人気の『NARUTO』

 まず、映画・アニメの世界を見てみよう。諸外国の場合、日本からの定番マンガの影響力は根強く、『NARUTO』や『ONE PIECE』などに関して言えば、筆者の生活しているブラジルでも子供なら『ドラゴンボール』同様、誰でも知っている。この2作なら、いつ映画化され国外リリースがあっても、今回の『ドラゴンボール 超 ブロリー』級の成功が期待できる。

 とりわけ『NARUTO』に関して言えば、海外だとオタク・カルチャーを超越して、近年ではよりダークで内向的なエモ・カルチャーとの結びつきも強い。ヒップホップのエモ・トラップの動画やミームのネタとしての引用も多いのでかなりのヒットになりそうだ。

「ヒットよりも評価」でいうなら、やはり宮崎駿のジブリものは現在もかなり根強い人気だが、『君の名は。』が国際的に大ヒットしたことにより、新海誠がこれに続きつつある。

 ただ、実写映画の監督に関して言えば、国際的な印象ではパク・チャヌク、イ・チャンドン、ポン・ジュノなどの韓国勢に押されている印象は正直否めない。

 国際映画祭、海外での観客動員の点で見ても、日本映画だと是枝裕和が孤軍奮闘している印象で、三池崇史、黒沢清、園子温に数は多くないもののカルトなファンがついていると言った感じだろうか。

 筆者としては、より作家性の強い監督の登場と、現在の日本を象徴して映し出す映画人の存在が必要な気がしている。その意味で『万引き家族』の演技が海外で絶賛された安藤サクラへの期待感は大きい気がする。

 ポスト・バブル以降の日本の若者の閉塞感が表現できる、バブルの時代ではまず出なかった屈折したオルタナティヴなキャラクターを頻繁に演じている彼女の出演作は海外でも興味を持たれそうだ。

 また、昨年、日本でかなりの話題を呼んだ『カメラを止めるな!』のような、斬新な手法の作品が海外でどう評価されるかも興味深いところだ。

◆安定した人気のワンオク、ベビメタ

 続いて音楽だが、まず成功が見えやすいのがラウドロックだろう。このジャンルで日本がラッキーだったのは、欧米圏で一般的な大ヒットが大幅に減り、今やコア層をターゲットにしたものになりつつあったなか、日本ではヒットチャートの上位にランクするスターが生まれ続けていたことで、その勢いのまま海外進出することができたことだ。

 その手始めとして、「メタルとアイドルの融合」という意外性のあるコンセプトがウケたBABYMETALが英米の総合チャートでもランクインする成功を手にした。しかし、長期的なシーンへの定着から考えれば、ONE OK ROCKのほうが可能性はあるだろう。

 彼らの’17年のアルバム『Ambitions』は全米106位を記録した。その数字だけ見るとあまり高くないように見えるが、彼らはイギリスのティーン層メインのラウドロック雑誌『Rock Sound』で表紙を飾っただけでなく、同誌における人気バンドの座を獲得し、それが他メディアにも及び始めている。

 2月リリースの新作『Eye Of The Storm』の成功次第では、より広い成功を手に入れるのも夢ではない。

 また、ONE OK ROCKが成功したのに続き、『Rock Sound』誌は1月発売の号でMan With A Missionを表紙に抜擢。日本のラウドロックがひとつの「シーン」として紹介されていることを印象づけている。

◆大きな可能性を秘めた日本人女性アーティスト

 続いて、「女性によるインディのロック」。実は今、このジャンルがもっとも高く日本人が成功する可能性を秘めているところだ。なぜなら、現在アメリカのインディ・ロックのシーンでは、「アジア系女性のシーン」というものが大きくなり、一番ホットなものとして注目されているからだ。

 そのシーンを牽引している存在が、日系アメリカ人Mitsuki(ミツキ)だ。日本在住経験もあり、日本語も堪能な彼女は‘16年あたりからニューヨークを拠点に注目されはじめ、‘18年のアルバム『Be The Cowboy』は全米52位、全英64位のヒットになった。これにとどまらず、この年の世界の批評誌の年間ベスト・アルバムで1位、もしくは2位に選ばれることが続出するほど評価されている。

 この成功に韓国系のジャパニーズ・ブレックファストやフィリピン系のジェイ・ソム、そしてMitski同様に日系アメリカ人のササミが続きつつある。

 そして、この流れに恩恵を受けそうなバンドがChaiだ。名古屋出身の4人組ガールズ・バンドの彼女たちは、国際的にも通用するシャープなポストパンク風のグルーヴセンス、欧米の音楽リスナーが「日本のアニメ的」だと認識しやすいハイトーン・ヴォーカル、そして「エイジアン・ガールズ」のイメージを逆手に取った戦略的なファッション・センスを誇っている。これらは‘17年に日本で話題になった直後、欧米でも注目を浴びた。

 さらに現在世界のロック界でもっとも影響力のあるウェブ・メディア、『ピッチフォーク』の興味をも引いている。現在、同サイトでは3月15日に欧米でリリースされる彼女たちのセカンド・アルバム、『Punk』に合わせたプロモーションを積極展開中だ。

 日本のガールズ・インディ・バンドでは、おとぼけビーバーやTricotなども海外進出しているが、Chaiの成功いかんによっては、彼女たちが一群となった「シーン」として世界に紹介されることも決して夢ではない。

 また、R&B/ヒップホップのシーンでも可能性は開かれている。アメリカにおいて、アジア系アーティストを専門としたレーベル「88 Rising」がひとつの見逃せないシーンとして台頭を始めているからだ。

 ここからはもうすでに、子供時代を大阪で過ごした日本人シンガー、Jojiがアルバム『Ballad 1』を全米総合チャートで3位まで上昇させるビッグ・ヒットを放っている。彼はオーストラリア人とのハーフで、アメリカを拠点に英語作品で長く活動しているため気づかれにくいが、国籍選択は日本であることを見逃してはならない。

 また、88 Risingの所属ではないが、シカゴのラッパーで日本人とメキシコ人のハーフ、Towkioも昨年メジャー・デビューして話題となっている。

 次に海外でブレイクするのはいったい誰か? ぜひ注目してみてほしい。

<取材・文/沢田太陽>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:2/3(日) 8:31
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