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ビンラディン殺害から中国スパイ工作まで、元CIA幹部が語り尽くす

2/7(木) 12:27配信

クーリエ・ジャポン

1981年にCIA入局後、冷戦期のソ連と対峙し、ビンラディン殺害作戦に関与し、台頭著しい中国を監視するなど、世界を股にかけてスパイ工作の最前線に立ってきたマーク・ケルトン元CIA国家機密局副次官の特別インタビューをお届けする。
世界最強のスパイ組織はどこか──。

著者は今回、責任編集を任された「世界最強の諜報機関」特集に際し、欧州の元諜報関係者にそんな質問を投げてみた。

この人物は迷うことなく、「それはCIA(米中央情報局)だよ。MI6もモサドも優れている。でもいまなら、他にかなりの力をつけている国がある」と語った。

「中国だ。私の意見では、中国のスパイ活動はとんでもなく強大になっているので、最強と言ってもいいかもしれない。特に、このサイバー時代に彼らは組織的に世界での覇権を狙った工作をおこなって、他の情報機関の関係者らにとってもかなりの脅威になっている」

たしかに、最近のニュースでも中国が仕掛けたとされるサイバー工作などが見出しをにぎわせている。人海戦術と高まる技術力で、さまざまな活動をおこなっているという。

しかしそんな意見を、真っ向から否定する元諜報関係者もいる。

「最強なのは、間違いなくCIAだ」

そう答えるのは、元CIA幹部のマーク・ケルトンだ。ケルトンは、2015年に退局するまで34年にわたってCIAの諜報活動に従事し、最終的にはCIA国家機密局副次官を務めた。

ケルトンは現役時代、冷戦期にソ連と戦い、ウサマ・ビンラディン殺害作戦にも深く関与し、その後は成長著しかった中国も担当した。まさに世界を股にかけてスパイ工作の最前線にいたケルトンに、最強のスパイ組織での人生から、最近のスパイ情勢まで聞いた。



──いつCIAに入ったのでしょうか。

1981年にCIAに入局した。入局した頃は、まだ冷戦の真っ只中だった。キャリアの前半は、冷戦の中でソ連圏に赴任して、転々とする時期もあったが、1991年にソ連が崩壊するまでソ連と対峙して仕事をしていた。

その後は、混乱が続いていたバルカン半島でも暮らした。その段階で現場をしばらく離れ、大学院に入ったが、それまで長く使っていなかった脳を使うことになり、非常に楽しかったね。

──ではスパイの現場ではどんな「脳」を使っていたのでしょう?

インテリジェンス(情報)を集め、スパイ工作員(協力者)をリクルートし、スパイを運用する。そのための「脳」だ。

大学院を修了した後は、ワシントン近郊の本部に勤務し、CIAがおこなうすべての作戦を監督する立場になった。

その後はまた現場に戻り、ロシアに勤務した。ウラジーミル・プーチン大統領がトップになったときには、ロシアの支局長としてそれを目の当たりにした。

そして本部に戻ってからは、しばらく中国を担当し、その後は欧州のトップを任され、南アジアでも支局長をしていた。

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