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「女性は…」無意識の偏見、登用・成長機会に影響

2/10(日) 7:47配信

NIKKEI STYLE

働き続ける女性は増えたが、登用は遅れが目立つ。要因の一つは誰にでもある「無意識の偏見」。「女性は管理職に向かない」など知らず知らずの思い込みが判断をゆがめる。まずはそうした偏見があると知り意識することが大事。管理職らには個として部下に向き合う姿勢が求められる。
無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)とは「特定の人や属性に対して知らず知らずに持つ偏った見方や意見。人間の機能として持っていて誰にでもある」。こう説明するのは、米国など海外のダイバーシティ(人材の多様性)の動向に詳しいコンサルタントのパク・スックチャさん。「無意識に対しては意識で対応するしかない。まずは何にどういう偏見があるか認識することが必要」と説く。
思い込みへの気付きを促そうと、東京海上グループは2018年11月に各社の部店長向けの研修を開催。海外拠点も含む意識調査の結果を紹介した。例えば、開かれたコミュニケーションが「できている」と思う割合は職位が高いほど高かった。「役職者が思うより、『聞くこと』が足りていないのではないか」と進行役の東京海上ホールディングスの依田誠執行役員が受講者に問題提起した。
企業文化の強みと弱みなども討論。「まじめ」など同じ単語でも、強みか弱みか評価が分かれ、ものの見方は様々との認識を促した。それを受け入れなければ組織の多様性を生かせない。「女性の活躍にもつながるインクルージョン(包摂)環境をつくる難しさを実感してほしいと考えた」と同社のジェームス・デイ人事部グローバルグループマネージャーは語る。

■キャリア目標など理解 個別に対応を

女性の活躍という点で、無意識の偏見がさらに問題なのは「採用や昇進といった意思決定で判断をゆがませること」(パクさん)。米国では上級管理職への女性の登用がなかなか進まず、その要因を探る調査や研究から、無意識の偏見が及ぼす望ましくない影響が注目されるように。
「10年代以降、企業の取り組みが目立ってきた」(同)。国内でも「18年度は従来より時間を割いて研修のなかで扱う比重を高めた」(女性活躍関連の研修を開く21世紀職業財団)など急速に認識が広がっている。一方で、「『育児中の女性にきつい仕事を任せるのはかわいそう』というのも無意識の偏見だと聞き、任せようとしたら『できるわけがない』と反発された」と戸惑う男性管理職も。
無意識の偏見による上司の配慮は部下の成長機会を奪いかねず注意が必要だ。だが、配慮が不要なのではない。「『育児中の女性だから』といった画一的な対応こそ避けるべきだ」(パクさん)
「大切なのは、キャリア意識や働くうえでどんなニーズがあるか、個人として相手を知ること。知らないから個別対応ができなくなる」と意思疎通の大事さを説く。
「人間は皆、バイアスだらけ。その分、『ちょっと待って。本当なのか』と確認することが大事」とパクさん。例えば、社内アンケートで人事評価に男女差はないか管理職と一般社員の意識を比較したり、男女の異動機会や配属先から仕事の与え方を確認したりするなどデータや客観的事実の把握がその助けとなる。

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最終更新:2/10(日) 12:15
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