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クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」は、なぜわたしたちの心を揺さぶるのか?

2/10(日) 14:10配信

WIRED.jp

映画でのマレックの素晴らしい演技

フレディ・マーキュリーはよくふざけたような雰囲気を醸し出していたが(インタヴューではいたずらっぽい表情やずる賢い感じの笑顔を見せている)、耐えられないほどにひたむきになることもあった。特に、愛について歌っているときがそうだった。

「アンダー・プレッシャー」は人間関係をうまくコントロールできないことについての歌だ。マーキュリーは、状況は難しいがそれでも楽観的になって、すべてには美が存在するという信念をもち、愛をもう一度信じてみようと歌う。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』は1970~80年代を舞台に、クイーンの結成からチャリティーコンサートのライヴエイドまでを描いている。マーキュリーを演じるのはラミ・マレックで、撮影中は出っ歯だった本人に似せるために特注の義歯を付けていたという。

マレックはカリスマすら感じさせる素晴らしい演技を見せているが、ひとつだけ言わせてもらうなら、彼が歌い始めるたびに少しばかり変な気分になった。あとから知ったのだが、劇中の音楽は本物のマーキュリーのヴォーカルに、マレックと別の歌手の声をつぎはぎに足していたそうだ。

すべてに貪欲だったフレディ

これまでのところ、映画館に足を運んだ誰もがこの作品に夢中になっている。マーキュリーはあらゆる意味で、すべてに非常に貪欲な男だった。これはコカインが散らばったコーヒーテーブルや、長距離トラックの運転手が立ち寄るサーヴィスエリアのトイレの情景、夜更けの意味深なボディタッチといったシーンによって、作品中でも暗示されている。

メイは1999年に音楽雑誌『Mojo』とのインタヴューで、「こうしたことが音楽だけではなく日常生活にも入り込んできて、(マーキュリーは)それなしでは生きていけなくなってしまったんだと思う」と話している。「最終的にはバンドが崩壊しそうになった」

ただ、作品中ではメンバー同士の険悪な議論やエゴをむき出しにするマーキュリーといったものが断片的に描かれるだけで、バンドが本当に崖っぷちにまで追い詰められていたことはぼかされている。

マーキュリーは1946年にアフリカのザンジバルでファルーク・バルサラとして生まれ、1991年にエイズによる合併症で亡くなった。彼はバイセクシャルだったが、私生活については公にしていなかった。

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最終更新:2/10(日) 14:10
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