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ドゥンガらブラジルの名手が、アジア杯の日本に足りないと感じたもの

2/10(日) 16:01配信

webスポルティーバ

 どんなふうに日本を褒め讃えよう?

 私の一番の心配事は、日本が優勝するかどうかではなく、優勝後にインタビューする人選だった。日本サッカーとつながりの深いブラジル人の少なくとも10人に意見を聞くことができたが、その全員のコメントを載せることはできない。そこで私は厳選し、試合の後に彼らの批評を聞くアポもとりつけた。準備は万端だった。

【写真】スペインの知将がアジア杯の日本選手22人を個別評価

 ただ……日本の優勝だけが足りなかった。

 アジアカップの試合をすべて見たが、あの決勝はあり得なかった。そもそもカタールが決勝にたどり着くなど、普通に考えたらとうてい無理なことだ。この大会にはオーストラリア、韓国、イラン、サウジアラビアといったカタールよりずっとサッカーに長けたチームが数多く参加していた。

 ブラジルではいつになく多くの人が、この決勝を興味を持って観戦していた。なぜなら、決勝に残った2チームは、偶然にも6月にブラジルで行なわれるコパ・アメリカに参加することになっているからだ。

 日本はアジアカップを戦ったチームのなかでも、抜きん出たいいチームだったと私は思う。決勝で敗れたとはいえ、話を聞いたエキスパートたちも、日本は大会のベストチームで、戦術も、才能も、聡明さも、そしてパスワークの速さもピカイチだったと意見が一致している。

 しかし、それでも日本は決勝で負けた。

 それはカタールが、この日にかぎって最高のプレーを見せたからだけではない。カタールが称賛に値するチームであったことは確かだ。しかし彼らが勝てたのは、決して自分たちの力だけではない。日本が自滅してくれたからだ。

 決勝を見ながら、私はドゥンガに電話をした。彼も試合を見ていた。かつてのジュビロ磐田のキャプテンは、私に興味深いことを言った。

「試合はまだ終わっちゃいないが、結果はわかる。日本はこのままじゃ勝つのは無理だ。まるで試合に勝つと信じることを恐れているみたいだ。プロサッカーの世界では、時に”勝つ”という強い気持ちが試合を左右する。スコア、サポーター、ジャッジ、すべてにおいて逆風の吹く中にあっても、プロの選手なら決して希望を捨ててはいけない。

 カタールは自分たちが奇跡を起こすと信じている。日本はそれを許してしまった。アジアカップの決勝で勝つことは、カタールにとっては普通のことではない。にもかかわらず、日本は彼らにその力があると信じさせてしまった。これはあってはならない恥ずべき行為だ」

 試合後にも私はドゥンガと話をし、彼はあらためてコメントを補足した。

「後半15分過ぎから、私は日本の敗戦を予想した。選手たちからは”勝たなくてはいけない”という重圧が感じられた。しかし、本来プレッシャーを感じなければいけないのはカタールのほうだったと思う。

 カタールは開催国UAEと微妙な関係にあるが、それでも同じ中東の国。ホームでプレーしているのも同じだし、次回のW杯の開催国でもある。彼らには勝利が求められていた。一方、日本はリラックスして、今までどおり自分たちのサッカーをしていればよかった。

 しかし試合の前に何かがあったのか、ピッチに降りた日本の選手たちは皆一様に自信のない様子だった。自信のない者は勝つことはできない。これはサッカーに限らず、すべてにおいての鉄則だ」

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最終更新:2/10(日) 16:01
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