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マグロ捕獲の中学生が話題に…迷い込んだ魚を捕獲する行為、「密漁」にはあたらない?

2/11(月) 6:40配信

オトナンサー

 先日、鹿児島県の奄美大島で、海岸に迷い込んだマグロを中学生2人が素手で捕獲したと報道され、話題になりました。100キロ近い大物と格闘し、水揚げ後は飲食店の主人がさばいて住民とともに味わったとのこと。ネット上では、2人のたくましさをたたえるコメントが書き込まれる一方、「漁業権は大丈夫?」「海に返すべきでは?」などの声が見られます。

 入り江に迷い込んだり、海岸に打ち上げられたりした魚を捕獲した場合、「密漁」にはあたらないのでしょうか。グラディアトル法律事務所の刈谷龍太弁護士に聞きました。

種類や区域によっては規制も

Q.入り江に迷い込んだり、海岸に打ち上げられたりした魚を捕まえるのは、法的に問題ないのでしょうか。

刈谷さん「基本的には問題ありません。しかし、魚の種類や区域などによっては制限されている場合があるので、注意が必要です。

たとえば、シラスウナギ(ウナギの稚魚)は、ほとんどの都道府県漁業調整規則(※)で体長制限(小さなものの保護)の対象となっており、採取が禁止されています。また、サケが川に遡上(そじょう)するために集まる河口付近については、同規則でサケを含めた魚貝藻類の採取が禁止されているところも多くあります。捕まえる前に各都道府県の水産担当部局に確認するのがよいでしょう。

ちなみに、今回、中学生が捕獲したマグロについては規制の対象外で、鹿児島県水産振興課にも確認したところ、『問題ない』とのことでした」

※「都道府県漁業調整規則」:漁業法及び水産資源保護法に基づき都道府県ごとに定められており、当該都道府県の管轄する海面等で水産動植物を採捕する漁業者や遊漁者などに適用される規則

Q.海岸に打ち上がったワカメなどの海藻や、海岸近くの貝、ウニなどの場合はどうでしょうか。

刈谷さん「結論から言えば、共同漁業権の対象となっている貝藻類などは、漁業権者の許可や同意なく採取すれば漁業権侵害として告訴され、20万円以下の罰金に処せられることがあります。共同漁業権とは、一定地区の漁業者が一定の水面を共同利用して漁業を営む権利で、海岸線に沿った沿岸域のほとんどに設定されています。

そして、採取が禁止される貝藻類などとは、ワカメ・コンブ・ヒジキなどの藻類、アワビ・サザエ・アサリなどの貝類、イセエビ・ウニ・タコなどの定着性動物が挙げられます。食用として鮮魚店で売られているものは、ほぼすべてが対象といえるでしょう。

なお、海岸に打ち上がっていれば『水面から離れているから問題ない』と思う人がいるかもしれませんが、水産庁の解釈では、『打ち上がっていても潮の干満などで再び海に戻り得るものは共同漁業権の範囲に含む』とのことなので、採取しない方が無難です」

Q.堤防や海岸で釣りをする場合の法的問題を教えてください。

刈谷さん「堤防・海岸を問わず、釣りをすることは基本的に認められています。ただし、都道府県漁業調整規則により、河口付近などが禁止区域となっていたり、産卵期保護のための禁止期間があったりするので、気をつけなければなりません。なお、釣りという方法であっても、共同漁協権の対象となる貝藻類などを採取すれば漁業権侵害になるのは同様です」

Q.潮干狩りも法的規制を受けることがあるのでしょうか。

刈谷さん「潮干狩りも、採取する貝類が共同漁業権の対象である場合、漁業権の侵害になります。もっとも、潮干狩りが行える場所の漁協の多くは、一定の料金を支払うことや、採取量・採取場所を制限するなどして同意を与えています。漁協の同意がある範囲であれば、漁業権侵害にはならないということになります」

Q.磯遊びや海水浴をしていて、少量、貝や小魚を取った場合も漁業権などの問題は発生するのでしょうか。

刈谷さん「少量であったとしても、共同漁業権の対象となっている貝藻類などを漁業権者の許可や同意なく採取すれば、漁業権侵害になります」

オトナンサー編集部

最終更新:2/14(木) 9:54
オトナンサー

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