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日本の「保育崩壊」は起こるべくして起きている…その問題点と解決策

2/11(月) 11:00配信

現代ビジネス

「保育士の低賃金」はなぜ起きる?

 保育士の処遇改善が国の重要課題とされるなかで、都市部であっても年収が300万円にも満たないケースはなくならない。この大きな原因となるのが、人件費を流用することを国が認める「委託の弾力運用」ではないか。

 認可保育所には、子どもの年齢ごとに保育にかかる費用が「公定価格」として決められ、それが積算されて「委託費」という呼び名で運営費が市区町村を通して各認可保育所に支払われる。税金と保護者の支払う保育料が原資となる。

 本来は委託費の8割が人件費だが、流用することが認められているため人件費が人件費に使われない現実がある。国会議員は、この問題についてどう見ているのか。

 立憲民主党の「子ども子育てプロジェクトチーム(PT)」の座長を務める阿部知子衆議院議員は、保育や子育てに関するテーマを継続して取り上げている。

 2017年5月12日の厚生労働委員会では、「委託費の弾力運用」の規制緩和について問題視。人件費比率について監査など外側からのチェックが必要だと厳しく追及した。

 答弁側に立った塩崎恭久厚労大臣(当時)は、「人件費比率は年齢構成などで変わるため人件費比率自体が問題かといえばケース・バイ・ケース。それ自体を監査の資料として見ない。問題があるとすれば適正な給与かどうか総合的に見ているかどうか」と釈明。

 阿部議員は「労働集約型産業の保育なのに甘い」と反論し、「必要人数がいなければ成り立たない保育の分野で人件費比率を見ることは分かりやすい指標となる」と指摘した。

 立憲民主、国民民主、無所属の会、共産、自由、社民の野党5党1会派で、2018年6月19日に「保育士等処遇改善法案」「介護人材確保法案」「産後ケアセンター設置法案」の3法案を共同提出した。

 「保育士等処遇改善法案」のなかでは、保育従事者一人当たりの賃金を月額5万円上げることのほか、人件費比率などの情報を取りまとめ公表することを盛り込んでいる。

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最終更新:2/11(月) 15:45
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