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世界で最も眠れていない日本女性を襲うリスク

2/11(月) 15:00配信

東洋経済オンライン

睡眠時間に関する国際調査を見ると、日本はどんな調査でも大概ワースト1位か2位。とりわけ男性よりも女性の睡眠時間が短い状況です。しかも、睡眠時間は年々減少しつづけているのです。しかし研究の結果、睡眠時間の不足は、美容やアンチエイジングにもきわめて悪い影響を与え、肥満を助長しかねないことも明らかになっています。
女性の睡眠問題を、どう考えればいいのか。日本に「睡眠負債」という言葉を定着させたスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治氏が、近著『スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣』で、衝撃的な最新研究を紹介しています。

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■夫婦間の役割分担が欧米ほど進んでいない

 間違いなく、世界で最も眠れていないのは日本人女性――。しかも、高学歴の日本人女性の睡眠時間が、より短い傾向にあると報告されています。おそらくいちばん顕著なのが、小さな子どものワーキングマザーではないかと思われます。

 もともと日本は、家事や育児を女性が一手に担ってきた社会です。共働きの女性がたいへん増えているにもかかわらず、夫婦間での役割分担が欧米ほど進んでいないことが、大きな一因と考えられます。

 男女比較で見たとき、女性のほうが睡眠時間が短いのは、日本のほかに、インド、韓国、メキシコなど。欧米諸国では、女性のほうがよく眠っています。

 最近よく“イクメン”が話題になりますが、日本でもようやく家庭内での家事や育児分担が進んできた兆しだと捉えたいと思います。

 エストロゲン、プロゲステロンなどの性ホルモンも睡眠調節に多大な影響を与えます。女性は、生理、妊娠、出産、更年期と、生涯を通じて、体温や性ホルモンの変動とたえず向き合っています。したがって、日本ではとくに、女性をいたわり、いたわられる社会にする必要があります。

 女性を不安にさせるようなデータを示しましたが、安心させるデータもあります。不適切な睡眠時間は、肥満率だけでなく、死亡率をも増加させますが、男性では40代からその傾向が顕著になるのに対し、女性は強く、70代になり初めてその傾向が顕著になります。こういった男女の差が平均寿命にも反映されているのでしょう。したがって働き盛りのお父さんも、いたわり、いたわられる必要があります。

 美容やアンチエイジングという観点からも、睡眠への関心が高い人が多く、その大切さを、たぶん男性以上にわかっているのが女性。睡眠への意識はけっして低くはないでしょう。だからこそ、女性がもっと眠れる社会になればと私は思うのです。

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