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「怒り」で仕事が手につかない人のための処方箋

2/11(月) 15:00配信

東洋経済オンライン

臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

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■「怒り」のデメリット

 仕事をしていると、同僚や上司に対して、「許せない!」という気持ちに囚われてしまうことがあると思います。

「どうしてわかってくれないの?」
「なぜあいつより僕の評価は低いのか?」
「もっと違う言い方があるんじゃないの!?」
 私も、同じような経験をたくさんしてきましたので、そう言いたくなる気持ちはよくわかります。ただ、少なくとも心理学的な側面からみると、心の中が「誰かを断罪する気持ち」でいっぱいになっているときというのは、残念ながら、仕事はまったくはかどりません。

 なぜなら、怒りは、人のパフォーマンスを低下させる大きな要因だからです。また、職場のメンバーの1人が怒りに囚われてしまうことは、実はその人だけではなく、職場全体のパフォーマンスを低下させる原因にもなるのです。

 あなたが上司に対して「許せない!」と感じているときには、多くの場合、上司もまた、あなたがそうしたネガティブな思いを自分に抱いていることを感じとっています。その結果、上司の仕事のパフォーマンスも下がっていきます。人間関係がうまくいっていない職場では、だいたいこのように連鎖的に、互いが互いの足を引っ張り合うように、パフォーマンスを落としています。

 言い換えれば、チームで成果を上げたいと思うなら、どこかでこの悪いサイクルを断ち切っていく必要があるわけです。

■坊主憎けりゃ袈裟まで憎い

 職場の上司や同僚に対して「許せない!」と感じているときには、必ずその職場全体に、人間関係の悪循環が起きている。もちろん例外はありますが、まずはそう考えておいて、間違いないでしょう。

 ではどうやって、その悪循環を断ち切るか?  これは結局、あなた自身の中にある「誰かを断罪する気持ち」を払っていくしかありません。

 「え!?  どうして私が変わらなければいけないの?  悪いのは向こうなのに!」

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