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北磁極が想定を超えるペースで移動していることが明らかになった

2/12(火) 18:33配信

ニューズウィーク日本版

──2015年以降、地球の北磁極はカナダからシベリアに向けて想定を超えるペースで移動している

地球の北磁極は、カナダからシベリアに向けて北西へと継続的に移動している。そのため、アメリカ海洋大気庁(NOAA)国立環境情報センター(NCEI)では、世界磁気モデル(WMM)を5年ごとに更新してきた。

北磁極の移動の様子がわかる動画はこちら

■ 北磁極の移動加速に伴い、世界磁気モデルを修正

しかし、最新モデル「WMM2015」をリリースした2015年以降、北磁極が想定を超えるペースで移動していることが明らかとなり、2019年末に予定されている更新版「WMM2020」のリリースに先立って、2019年2月4日、2015年以降3年間のデータに基づいて北磁極の変化をより正確に反映させた「WMM2015」の修正版「WMM2015v2」を発表した。

1831年に英探検家ジェイムズ・クラーク・ロスが初めてカナダ北極圏を測定して以来、北磁極は予測不能な方法で移動していることがわかっている。その移動速度は年間15キロメートル程度であったが、1990年代半ばには年間約55キロメートルにまで上がっており、北磁極は、2001年までに北極海に入り、2018年には日付変更線を超えて東半球に入った。

■ カナダ直下で液化した鉄が高速で流れている......

北磁極の位置は、なぜこれほど劇的に変動しているのだろうか。

英リーズ大学のフィリップ・リバモア教授らの研究チームは、2016年12月、「カナダ直下で液化した鉄が高速で流れていることが北磁極の急速な移動と関連しているかもしれない」との研究論文を発表した。

これによって、カナダ直下の磁場が弱まっている可能性があるという。リバモア教授は「北磁極の位置は、カナダとシベリアの地下にある2つの巨大な磁場に影響を受けているとみられ、現時点では、シベリアの磁場が勝っているようだ」と分析している。

世界磁気モデルは、海底や航空機のナビゲーション、パラシュート降下などの軍用のほか、アメリカ航空宇宙局(NASA)や連邦航空局(FAA)、農務省林野部といった政府機関でも、調査やマッピング、衛星やアンテナの追跡、航空交通管制(ATC)などで用いられている。

■ GPSを活用したサービスや地図アプリにも影響が

もちろん、私たちの日常生活にも少なからず関わりのあるものだ。スマートフォンや家庭用電化製品では、世界磁気モデルをベースに、GPS(全地球測位システム)を活用したサービスや地図アプリ、コンパスアプリなどを提供している。

国立環境情報センター(NCEI)によると、「WMM2015v2」は2019年末までの期間限定で運用され、2020年には新たな世界磁気モデルとして「WMM2020」が導入される予定となっている。

松岡由希子

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