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死闘続く「ゴーン」vs.「日産・検察」連合 スパイ映画さながらの調査も“論破”

2/12(火) 17:00配信

デイリー新潮

逆襲の「ゴーン」! 中東の販売代理店が日産を訴える理由(1/2)

「カリスマ経営者」カルロス・ゴーンが塀の中へと落ちてから、はや2カ月半。

 1月11日には、有価証券報告書に役員報酬を過少申告した金商法違反と、私的な取引による損失を日産に付け替えた会社法違反(特別背任)で追起訴された。

 司法担当記者が解説する。

「それ以来、検事の取り調べは行われていませんから、ゴーンは拘置所で暇を持て余しているに違いありません。一方、いよいよ裁判に向けての動きも出始めました。2月14日に、裁判官、検察側、弁護側、それに被告のゴーン、一緒に逮捕された前代表取締役のグレッグ・ケリーも加わり、公判前整理手続きに向けた協議が行われることになったのです」

 日産だけでなく、「推定無罪」の原則を掲げていたはずのルノーのCEO兼会長からも退任したゴーン。

 2回の保釈請求も認められず、一見すると、孤立無援の戦いを強いられているようにも見える。

 しかし実のところ、ルノーは完全にゴーンを見限ったわけではないという。

“大豪邸に18億円”報道も…

 ルノー関係者によれば、

「ゴーンの方から、“長期にわたる勾留で株主に対する責任が果たせない。残念ながら……”と退任を申し出ました。後任のCEOに就いたティエリー・ボロレら“ゴーン派”は少数ながら、いまも残っている。結局のところ、マクロン大統領率いるフランス政府が金持ち優遇に抗議する“黄色いベスト運動”への影響を怖れ、従来の推定無罪の原則を撤回し、ゴーンを退任に追い込んだ格好です」

 ゴーン自身、わが身に降りかかった逮捕容疑や疑惑については、完全否定を続けているのだ。

 司法担当記者が続ける。

「ゴーンが追起訴された4日後、日産の広報担当役員が定例の“裏レク”を開きました。そこには、不正調査チームを管轄する北米日産出身の女性本部長も同席した。“正式に発表するかたちは取れないが、内部調査報告書の内容を少しずつ紹介する”として、主に、その碧眼の本部長がゴーンによる会社私物化の有り様を説明しました」

 翌日以降、日産からのリークをもとに、新聞各紙にはゴーンの「銭ゲバ」ぶりを伝える見出しが躍った。

 例えばベイルートの邸宅について。

 レバノンにおける日産の事業規模は極めて小さいにもかかわらず、ゴーンが幼少期を過ごした場所だからと、大豪邸を約10億円で購入し、改装には8億円以上が費やされたため、日産は18億円超を負担せざるを得なかったと報じた。そのうえ、私物化をより裏付けるエピソードとして、ゴーンの妻から日産宛てにシャンデリアの修繕費用6万5千ユーロ(約813万円)の請求書を送るとのメールも残っていたと付け加えたのである。

 この報道について、ゴーンは真っ向から異を唱えているという。

「まるで、ゴーンが自分のための別荘を日産に買わせたような印象操作がなされていますが、邸宅については“推定無罪”どころか、そもそも逮捕容疑ですらありません。むしろ、日産の調査方法に問題があります」

 と、前出のルノー関係者が明かす。

「ゴーンが逮捕される半年ほど前に、日産は調査チームを立ち上げました。それを主導したのは、特捜部と司法取引をしたマレー系英国人の専務執行役員です。実は、その専務執行役員はチームが立ち上がって間もなく、ベイルートの邸宅を訪ね、住み込みの管理人から聞き取りをしている。その際、彼は包帯で右腕を吊っていて、“この通り、ケガをしていてメモが取れないから”とすべての会話を録音していたのです」

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最終更新:2/12(火) 23:08
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