ここから本文です

【月刊『WiLL』(3月号)より】大韓民国は消滅した

2/13(水) 14:58配信 有料

WiLL

主敵はチャイナ

 日本の安全保障問題において、気になるニュースがある。ジェームズ・マティス国防長官が辞任し、代わりにパトリック・シャナハン氏が代行として就任したことだ。
 マティス氏の辞任によって、トランプ大統領と軍部の間で戦略面において大きな齟齬が生じたのではないか、という意見もある。なぜ、このタイミングでマティス氏は辞任したのだろうか。
 マティス氏とトランプ大統領は、共に反ネオコンであり、正当的な国防観を持っている。では、両者の国防観の違いはどこに存在したのだろうか。マティス氏は中東での戦争経験がある旧世代の軍人であるため、アメリカの主敵は「ロシア」であるととらえている。そして、それに次ぐ第二の脅威が「チャイナ」であると考えているようだ。
 ところが、トランプ大統領はロシアとは宥和政策を進め、主敵は「チャイナ」に絞っている。チャイナこそがアメリカの世界覇権を奪おうとしている第一の敵なのだ。ロシアがチャイナと手を組むのは困る。だから、トランプ大統領としては、なるべくプーチン大統領と手を組む姿勢を示し、懐柔しておきたい。
 もう一つ、トランプ大統領は「同盟国軽視」、マティス氏は「重視」の姿勢であり、そこが二人の確執を生んだのではないかという見解があるが、それは間違っている。
 前大統領のオバマ氏は確かに同盟国を軽視してきたが、トランプ大統領はその反省から「重視」にシフトした。日本をはじめ、イスラエルやサウジアラビアなどの同盟国との関係を再構築している。
 ただ、マティス氏の「同盟国」の定義では「NATO」が最優先だろう。しかし、NATO重視はロシアと緊張関係をつくり出すため、トランプ大統領の大戦略とは根本的に異なる。だから、同盟国重視と言っても、トランプ大統領はNATOを第一優先とは考えていない。
 ここら辺の考え方の違いが、トランプ大統領とマティス氏が袂を分かつ要因になったのではないだろうか。
 中東戦略も変化が始まっている。トランプ大統領はシリアに駐留している五千の米兵を引きあげることを決めた。また、アフガニスタンの一万四千の兵を七千に削減する。この軍事行動を見ると、ロシアへの妥協であることがわかる。中央アジアや中東におけるロシアの権益を認めることにほかならないからだ。だが、そうすれば、中東のパワーバランスが安定することも確かである。 本文:5,787文字

【販売終了のお知らせ】

こちらの有料記事配信サービスは、販売を終了いたしました。

ご購入いただいた記事を読むには、こちらからログインしてください。

藤井厳喜(国際政治学者)

最終更新:2/13(水) 14:58
WiLL

記事提供社からのご案内(外部サイト)

WiLL

ワック

2019年08月号
6月26日発売

定価900円(税込)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事