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2018年ベストセラーの傾向 短期間ヒット作なし

2/13(水) 7:00配信

Book Bang

 毎年、年間ベストセラーが取次会社大手の日販、トーハンの2社から発表されている。2018年の総合1位は両社ともに『漫画 君たちはどう生きるか』(吉野源三郎原作、羽賀翔一画、マガジンハウス)であった。ビジネス書に目を向けると、両社には若干の違いがある。日販は1位『大人の語彙力ノート』、2位『10年後の仕事図鑑』(堀江貴文、落合陽一著、SBクリエイティブ)、3位『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』(デイヴィッド・S・キダー、ノア・D・オッペンハイム著、小林朋則訳、文響社)であるのに対し、トーハンは1位『頭に来てもアホとは戦うな!』(田村耕太郎著、朝日新聞出版)、2位『大人の語彙力ノート』、3位『10年後の仕事図鑑』であった。なおトーハン1位の『頭に来てもアホとは戦うな!』は日販ではノンフィクションで3位に入っている。

 ベストセラーになる本はロングセラーであることが多い。『漫画 君たちはどう生きるか』、『大人の語彙力ノート』は17年の発売であるし、『頭に来てもアホとは戦うな!』に至っては14年に発売された本である。逆に18年は短期間でベストセラーになるようなヒット作がなかったともいえる。発行部数は『大人の語彙力ノート』が31万部、『10年後の仕事図鑑』が24万部。17年1位の『はじめての人のための3000円投資生活』(横山光昭著、アスコム)が50万部を超えていたことを考えるとだいぶ少ない印象だ。それだけ売上が分散しているのだろう。

『大人の語彙力ノート』はとても実用的な内容で普遍的な点がうけているのだろう。活字文化から離れて生活していると「すごい」や「やばい」など、20語程度で全ての会話が終わってしまうこともある。それを漢語や大和言葉に言い換え、カタカナ語や外来語を駆使して、大人の言葉遣いを身につけることを目指した本だ。この本を読めば、ビジネスや日常の改まったシーンで教養を感じさせる言葉が自然と使えるようになり、相手にきちんとした印象を与えることができるようになるかもしれない。

[レビュアー]田中大輔(某社書店営業)

新潮社 週刊新潮 2019年2月7日号 掲載

新潮社

最終更新:2/15(金) 15:01
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