ここから本文です

ドレイクの発言で深まる「グラミー賞」とヒップホップシーンの溝

2/13(水) 17:00配信

WWD JAPAN.com

結果、ドレイクは「グラミー賞」の運営に不信感を抱き、授賞式でのパフォーマンスのオファーを断るだけでなく、受賞後のスピーチで「グラミー賞」の在り方自体に疑問を呈したのだ。

「『グラミー賞』の歴史の中で、初めて自分がこうありたいと思っていた自分になれたかもしれないと一瞬思えたよ。いい気分だね。いや、何か受賞するなんて思ってもみなかった。(スピーチを)見てくれている音楽をやりたいと思っている子どもたち、そして心からの音楽を作っている仲間たちに向けて、この機会に話したいことがある」。

「俺たちは、事実に基づかないで誰かの意見に左右される業界にいる。こうして年度の終わりにトロフィーを授与されるのは、正しい決断をしたからとか、NBAのようにゲームに勝ったからじゃないんだ。音楽業界はときとして、俺みたいにカナダから来たハーフの子どもや、ニューヨークに暮らすスペイン人の女の子(カーディー・B)、ヒューストンで暮らす兄弟(トラヴィス・スコット)だったりが言いたいことを理解していないヤツらによってコントロールされている。でも、きみが作った曲を口ずさんでくれるファンや、仕事で一生懸命稼いだ大事な金でチケットを買って、雨の中でも雪の中でもきみのライブに駆けつけてくれるファンがいるなら、こんなトロフィーなんて必要ないんだ。そういうファンがいるならきみはすでに一流の勝者なんだ、約束するよ」。

しかし、運営側にとってこのドレイクの「ファンがいればトロフィーなんていらない」という主張は心証が悪かったようで、スピーチの途中に「マクドナルド」のCMへと移り、ドレイクのアツい思いはTVの向こう側には届けられなかった。

今回のドレイクの発言は、今年のチャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)の欠席にも見るように、以前から「グラミー賞」が抱える白人優遇の黒人差別とヒップホップアーティストの受賞の少なさに対する抗議でもあると考えられるが、ほぼ全ての受賞者のスピーチ映像が掲載されている「グラミー賞」のYouTubeアカウントには、現在に至るまでドレイクの映像は投稿されておらず、両者の溝がより深まったように感じられる。

なお今年の「グラミー賞」は、チャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)が史上初めてラップ楽曲として最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞する快挙を達成。チャイルディッシュ・ガンビーノ以前にヒップホップアーティストが主要4部門で受賞したのは、2004年のアウトキャスト(OutKast)の最優秀アルバム賞のみ。

2/2ページ

最終更新:2/13(水) 20:45
WWD JAPAN.com

記事提供社からのご案内(外部サイト)

WWD ジャパン

INFASパブリケーションズ

2093号
2019年7月22日発売

定価500円(税込み)

川久保玲が語る「コム デ ギャルソン」の50年 “ファッションはビジネスの中で使う素材。そうなったのは、偶然だ。”

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ