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平成の世に甦った江戸期から続く巡礼道!伊豆半島で遍路を体験!?

2/14(木) 21:01配信

旅行読売

 遍路といえば、弘法大師(空海)ゆかりの八十八か所霊場を巡礼する四国遍路が思い浮ぶが、伊豆半島にも遍路があるのをご存じだろうか。起源は不明だが、江戸時代には確立していたようで、すべての霊場をつなぎ合わせると伊豆半島を一周できる。
 伊豆霊場振興会の遠藤貴光会長になぜ伊豆なのかを訪ねると、「弘法大師は青年期に伊豆半島で修行されたという説があります。修善寺温泉の修禅寺の創建も弘法大師とされています」とのこと。そう聞けば、四国遍路の結願(けちがん)者である筆者も興味が湧く。南伊豆、下田地区の霊場をひとり歩くことにした。
 伊豆急下田駅の観光案内所で専用納経帳を購入し、早速歩き出す。服装は普段着でまったく問題はないが、あえて使い込んだ白衣(びゃくい)、輪袈裟(わげさ)、金剛杖(こんごうつえ)、菅笠(すげがさ)を身に付けた。「形から入る」とはよく言ったもので、白衣を着るだけでも単なる「御朱印集め」から「巡礼」に気構えが変わる。
 金剛杖を突きながら進む。杖に結んだ鈴がカシャンと鳴ると、町の人が視線を向け、驚いた表情に変わる。昨年の巡礼者は年間1000人ほど。地元での認知度はまだ低いようだ。

 その一方で発展途上の良さもある。第41番札所海善(かいぜん)寺、第43番札所大安(だいあん)寺と納経し、第42番札所長楽(ちょうらく)寺を訪ねると天野隆玄住職が本堂内に招いてくれた。四国では本堂に入らず参拝するのが一般的だが、この日は住職の都合も良く、話を聞くこともできた。「せっかくお参りするなら、“仏さんのお体に入らせていただきます。仏さんも私の心の中に入ってください”と思って、ご本尊に手を合わせ、一体になってほしいです。すると無表情に見える仏さんの顔を見ても、ありがたいとかその人なりの素直な感情が湧いてくる。それに気付けるだけでもお参りした価値はあると思います」
 改めて本尊に合掌し、第40番札所玉泉(ぎょくせん)寺を目指す。ここは幕末に初のアメリカ総領事館が建てられた古刹で、境内にハリス記念館(入館400円)を併設している。少し早いが初日はここで打ち止め。爪木崎の須崎海岸まで40分ほど歩き、割烹民宿小はじ(電話0558・22・6174/1泊2食9650円~)に泊まる。民宿ながら温泉があり、遍路初日で強張った体をほぐすにはありがたい。温泉の豊富さも伊豆遍路の魅力といえそうだ。キンメダイ、アジ、カンパチなど地魚料理をつまみ、冷えたビールをあおると元気が湧いてくる。明日も歩くぞ!

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最終更新:2/14(木) 21:01
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