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人手不足がバカッターを生む理由。 (後藤和也 大学教員/キャリアコンサルタント)

2/15(金) 6:50配信

シェアーズカフェ・オンライン

アルバイト従業員による不適切動画が相次いで問題となっている。ある企業では解雇にとどまらず損害賠償請求などの法的措置を検討するという。

こうした行為は「バカッター」や「バイトテロ」などと呼ばれ、アルバイト従業員個人のモラルやネットリテラシーの低下が原因とされがちだ。しかし、問題の所在を個人にのみ結び付けるような議論はやや矮小化しすぎではないだろうか。

■バカッター騒動とは
バカッター騒動の例は、次のようなものだ。

『調理中の魚をゴミ箱に捨てるなどの様子を撮影した、いわゆる「不適切動画」を投稿したアルバイト従業員2人に対して、雇用主だった「くら寿司」を運営するくらコーポレーションが法的措置をとると高らかに宣言した。
~中略~
おでんのしらたきを口に入れて出すなどの動画を投稿した従業員2人に対して、セブン-イレブンも「法的措置を含む厳正な処分」を検討することを明らかにした。
「バイトテロ」は訴えても抑止できない、3つの理由 IT mediaビジネスonline 2019/02/12』

報道された動画を見ると、確かにアルバイト従業員が調理場や深夜帯の勤務中に問題行動をとる様子がうかがえる。楽しそうにはしゃぐ様子からは、問題行動をしている意識は感じられない。

■人手不足の業種でバカッターが発生している
人手不足に関する調査では飲食業のうち53.1%の企業が正社員が不足していると回答。非正社員については84.4%が不足していると回答した(帝国データバンク 人手不足に対する企業の動向調査(2018 年 10 月))。非正社員の不足している上位10業種にはコンビニ等の「小売業」がランクインしている。飲食店やコンビニでアルバイト従業員を採用すること自体が困難であることがうかがえる。

また、求職者にとって「売り手市場」になっていることもこれらの業種の人手不足に拍車をかけている。厚生労働省によれば昨年12月の有効求人倍率は1.63倍と依然高い数値であり、就職すること自体が困難な状況にはない。筆者は短大でキャリア支援を行っているが、売り手市場ではあえて不人気の飲食業などを選択しない学生が多いのが実感だ。休日や深夜も仕事に追われるイメージが強く、学生が敬遠するのも無理はない。

このように、今回問題となった職場では、アルバイト従業員はもちろんのこと、彼らを指導育成する立場の正社員を確保するのもままならない状況であるといえる。適当な表現ではないかもしれないが、「優秀な人材」を配置する以前に、配置する人が足りないというのが現状なのだ。

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最終更新:2/15(金) 6:50
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