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高額な不妊治療費どう工面 国や自治体の助成フル活用

2/16(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

30代の夫婦です。なかなか子宝に恵まれず悩んでいますが、不妊治療は高額と聞き二の足を踏んでいます。公的な助成はあるのでしょうか。
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不妊治療の家計負担は膨らみがちだ。体外で受精させた胚を子宮に戻す「体外受精」は1回平均30万円、精子をガラス針で卵子に入れる「顕微授精」は同40万円とされる。いずれも公的医療保険の対象外となる自由診療で、全額自己負担だ。回を重ね、数百万円を投じる個人も少なくない。
国や自治体は少子化対策を念頭に置き、負担軽減策を強化している。国の特定不妊治療費の助成件数は2016年度に約14万件と08年度に比べて2倍になった。国は初回の治療で30万円、2回目以降は各回15万円まで助成する。19年度から、初回15万円だった男性の不妊治療を女性と同水準の30万円に引き上げる。
国の助成の実施窓口は都道府県、政令指定都市、中核市。申請には領収書や住民票、申請書が必要だ。治療開始時の妻の年齢が40歳未満なら通算6回だが、40~42歳なら同3回で、43歳以上は支給されない。
女性が40代に入ると妊娠・出産の確率が低下するとの調査もある。ファイナンシャルプランナーの塚原哲氏は「自分も顕微授精を経験した。その経験を踏まえ、子供がほしいなら20~30歳代のうちになるべく早く夫婦で不妊検査に行くことを勧めたい」と助言する。
公的助成には自治体が独自に行う上乗せもある。東京都は19年度から、国が一律730万円としている夫婦の所得制限を905万円まで引き上げるほか、不妊検査の助成対象を妻35歳未満から40歳未満に広げる予定。既に2回目以降の不妊治療費に5万~10万円上乗せし、事実婚も対象に入れている。
埼玉県は不妊検査、35歳未満の早期不妊治療に最大10万円を助成。妊娠しても流産や死産を繰り返す「不育症」に同2万円を出す。
一部の企業も、従業員の不妊治療を助成している。家電量販のノジマは18年10月、治療開始から3年間、最大60万円を助成する制度を創設。回数、所得に制限はない。NECは公的補助を除き1回当たり上限10万円まで、花王は一定額を上限に6割を助成する。東京海上日動火災保険は一般企業向けに、治療費助成に対応した保険を扱う。
治療費用の補助で賄えない部分は、医療費控除として確定申告すれば税金の一部が還付される場合がある。確定申告の期間は今月18日から3月15日までだが、還付申告はすでに受け付けている。過去5年分をさかのぼることも可能だ。塚原氏は「不妊治療を経済的な理由でためらうことなく、支援制度は積極的に活用しよう」と話している。
[日本経済新聞朝刊2019年2月9日付]

最終更新:2/16(土) 10:12
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