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中国のコメ生産は収量で日本を圧倒するも、大規模農場で日本の技術が求められる理由

2/17(日) 12:43配信

Wedge

 日本のコメ生産は、国が主導して生産量を抑制する生産調整が長年続いたため、反当たりの収量(反収)が低い。中国では、反収の高いF1(雑種第一代)の種が普及していて、収量は日本の1.3~1.4倍ほどあるという。収量の面では日本の稲作が大きく引き離されている一方、技術指導で中国の大規模生産の現場で引っ張りだこの農家が、新潟県加茂市にいる。数千ヘクタールの技術指導に関わる石附健一さん(株式会社ライスグローワーズ)に、なぜ日本の技術が重んじられるのか聞いた。

中国の今の稲作の基礎をつくったのは日本人

―― 中国に関わるようになったのはいつ頃 

 私が最初に中国を訪れたのは1982年。中国の今の稲作の形態をつくったと言われているのは、日本の稲作の普及員。北海道の原正市さんと、岩手の藤原長作さんで、二人が寒冷地での稲作を飛躍的に伸ばした話は、中国では超有名。この方々は70年代末から80年代にかけて中国の東北部に入って、稲作を指導した。

 高粱やトウモロコシ、ジャガイモよりも、コメの方が生産効率も、エネルギー取得の効率もいい。そしてもちろん、コメを作った方が農家は稼げる。そのため、稲作が飛躍的に伸びた。私は当時、父と一緒に、自費で中国に渡って指導していた。当時の中国はお金がなかったから。

―― 今と昔では水田は変化している

 昔と全然違ってきている。かつては「勘弁してくれ」と思うような田んぼに連れていかれて、「これを何とかしろ」と言われることがあった。田んぼの端がまっすぐでないような、土地改良のされていないところが多かった。中国の稲作というのは、まだまだ未開な分野で、いまだにびっくりすることも多い。いつ良くなるんだろうと思う。ただ、前に進んでいるのは確か。

 指導しているのは、黒竜江省、吉林省、浙江省、江西省。中国の昔の大型農場というのは、どこかの行政区の飛び地か、刑務所か軍の関係する土地が多い。我々は、たとえば上海市が浙江省に持っている飛び地といったところから、指導に呼ばれる。大型農場だと、ドローンが飛んでいたり、田植えをしない直播がされていたりと、先進的な技術が取り入れられている。

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最終更新:2/17(日) 12:43
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