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赤ちゃんをかわいく思えない……10人に1人が発症「産後うつ」になりやすいのはこんな人

2/18(月) 11:00配信

文春オンライン

 高齢出産の増加や核家族化により、身近に頼れる家族がおらず、出産や育児の悩みをひとりで抱え、孤立する女性が増えている。

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 2018年9月、厚生労働省研究班の調査により、妊産婦の死亡原因のうち「自殺」が一位であることが分かった。2015~16年の2年間で、妊娠中および産後1年未満に自殺した妊産婦は国内に102人。病気などを含めた妊産婦死亡の約3割を占めており、無職の世帯の女性や35歳以上の女性の自殺率が高かった。研究班は「産後うつ」の影響が大きいと見ている。

 実際、神奈川県で育児に悩む母親が生後1か月の赤ちゃんと心中した事件(2015年3月)や、「完璧な母親になりきれなかった」と悩んだ挙句、大阪府の母親が2歳児をマンション5階の自宅ベランダから投げ落とした事件(18年6月)など、近年立て続けに悲劇が起きている。

「産後うつ」と「マタニティーブルーズ」は違う

 日本だけではない。グウィネス・パルトロウやブルック・シールズ、アデルなど、海外の人気セレブたちも産後うつになったことを告白している。

 産後うつは、産後2、3週~6か月の間に発症することが多い。ホルモンバランスの乱れによって激しい気分の浮き沈みが起こる「マタニティーブルーズ」と混同されやすいが似て非なるものだ。マタニティーブルーズは産後3~10日以内に起きる症状で、2週間も経てば自然に治まるが、産後うつになると、2週間以上にわたって抑うつ状態が続き、赤ちゃんをかわいく思えなくなったり、育児に楽しみを見出せなくなったり、次第に自分を「母親失格だ」と過剰に責めるようになったりする。

77%が産後うつに近い状態に

 産後の母親といえば、微笑みながら我が子に授乳する幸せいっぱいの母親像を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、妊娠していない一般女性に比べるとうつ病を発症しやすく、その割合は10人に1人と言われている。産後のケアサービスを提供するNPO法人マドレボニータ(東京)の2016年の調査によると、産後2週~1年の間に産後うつに近い状態になった人(医師の診断を受けていない人も含む)は77%にものぼる。

 いくら医療が進歩し、死亡率が減ったとはいえ、出産は母子共に命がけの作業だ。産後の母親の身体はボロボロで、子宮や産道が傷付き、産後24時間以内で約300ccも出血するといわれている。その後も慢性的な貧血状態や高血圧が続くうえ、妊娠・出産の影響で骨盤や股関節が緩みきり、普通に歩くことさえままならなくなるし(会陰切開をした場合も)、頭痛や腰痛、恥骨の痛みや尿漏れに悩まされる女性も多い。子宮機能の回復には6~8週間を要するため、基本的に産後ひと月の間は授乳や食事、トイレ以外は養生に努めることが大事といわれている。

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最終更新:2/18(月) 11:42
文春オンライン

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