ここから本文です

「一生に一本」釣り人のための包丁を作ってみた。その工程をじっくり解説【その2 堺打刃物・工程編】

2/19(火) 18:30配信

ルアマガPLUS

雑誌『ルアーマガジン・ソルト』の企画として始まった釣り人用包丁「鯵切」。
前回お伝えした通り、包丁といえば「堺打刃物」、ということで老舗メーカー「源正守」の奥田さん監修のもと製造を進めています。その製造過程で見えてきた、日本の包丁のスゴさの数々。いや、ほんとにスゴいんですって!
というわけで今回は、堺打刃物の最大の特徴でもある分業の工程を詳しく紹介します!ちょっと熱くなって長くなりましたので、そこはご了承ください……!

超・一流の職人さんが作っとります!

なるべく、凝縮して語りたいので文字数を抑えるために、端的に書いていきます。まず、今回の釣人包丁「鯵切」は堺でもトップクラスの職人さんに打っていただいています。

鍛冶、研ぎ、柄付など、職人さんをまとめていただいている「源正守」さん曰く、職人さんでもそれぞれに癖があって、皆さんの技の持ち味をうまく噛み合わせて、最良の品質を引き出すようにしているのだそう。

「いやぁ、今回お願いしてるとこは、全部一級やで。江渕さん(鍛冶屋)とこはよくTVでも取り上げられてるし、堺界隈でも特に忙しい鍛冶屋さんや」

そうなんです。近年はとくに海外のバイヤーからも注目されていて、指定で鍛冶の注文が入るそうですが、基本は取りまとめている源正守さんのような会社からの注文からこなしていくので、数年待ちのバックオーダーなんてザラにあるようなんですよね。それが今回お願いしている鍛冶屋さん「江渕打刃物製作所」だったりします。

赤めて、鉄と鋼を貼り合わせ、打って、冷やして、鍛えて、整えて。

包丁の材質の話をし始めると、それだけで記事が終わってしまいますので、今回の包丁に使用している鉄と刃金(鋼)の話だけをさせてもらいます。

和包丁、いや包丁の刃の部分には刃金(鋼)が一番なんです(きっぱり)。

源正守「包丁ってその刃先を顕微鏡とかで見ると、細かいノコギリ状になってるねん。だから和包丁は引いて切るねんな。この細かいノコギリ状のピッチというか組織がな、刃金(鋼)が一番なんや。他の材質やとな、それがマチマチなんや。細かすぎたり、荒かったり。ええか、包丁の刃ってのはな、硬かったらいいとか、単純に鋭利やったらいいちゅうもんじゃないねん。ええ塩梅の刃金(鋼)の硬さや材質ってのがあるんや。それを、調整できるんが職人や」

包丁は基本的に、柄があったり、様々な形があり、その形状を整える必要がありますから、包丁全体が刃金(鋼)だと、固くて加工がしにくいこともあり、加工をしやすい鉄と合わせてやるんですね。

当然、江渕さんところではコークスを赤めて、その鉄と刃金(鋼)を接着し、鍛えて、形を整え包丁の原型を作っていきます。

江渕「鉄と刃金(鋼)の接着のためにコークスを約1000度ほどに熱します」

それ、温度計か何かあるんですか?

江渕「目加減や。季節、湿度、温度で変わるからな、目加減で必要な温度に達しているか調節する。その加減が大事なんやで」

なぜコークスでやる必要があるんですか?

江渕「簡単に言うとな、包丁に必要な刃金(鋼)の硬さや粘りちゅうのは、含まれる炭素量などで変わってくる。電気で赤めるのは簡単やねんけど、もともともってる炭素量が10やとしたら、熱するだけで、8にも7にもなるんや。コークスでそれを調整したら、その炭素量が減らへん」

1/3ページ

最終更新:2/19(火) 18:30
ルアマガPLUS

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ルアマガ+

内外出版社

ルアーマガジン8月号
6月26日発売

特別定価880円(税込)

羽根モノ大図鑑
陸王第2戦 青木大介vs藤田京弥
2019 ALL NEWリールカタログ
特別付録:レジットデザインスモールマウス

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事