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ぐっちー「レオパレス問題、地銀に延焼→税金投入シナリオはまずい」〈AERA〉

2/24(日) 7:00配信

AERA dot.

 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 世間ではレオパレスの不正施工問題が発生していますが、そもそもは、地方で資産運用などで金儲けしようとしたときに、まぁ借り上げ賃貸みたいな安直なパターンを提示してきたレオパレスに何も考えていない地主が乗った、ということでしょう。

 要するに、騙されたわけです。オーナーの代表者らが「検査体制の不備は国に責任がある」と国土交通省と金融庁に訴える、というニュースがありました(テレ朝news、2月12日更新)が、レオパレスの維持までを国の責任にするなんて「強い政治」にもほどがあります(笑)。そうなると、国による借り上げと同義になり、地銀あたりが「連鎖倒産するー!!」とかいって、国にしがみつこうとする……これはもう、病気です。

 地方で急増する空き家も、実はこの手の「ペラペラ賃貸」の過剰供給によるという話もあります(GLOCAL MISSION TIMES、1月11日更新)。レオパレスの物件を実際に見てみましたが、断熱性が不十分で環境性能が低い。その建物が空き家になり不良債権となっている、という話でもあります。

 資産にもならないようなものを一過性の需要で建ててしまい、そこの与信は地銀が取っている。当然、返済は中長期にわたります。オーナーも地銀も「賃料はレオパレスが保証するから」という話に乗っかったものの、その契約自体に疑義がある。しかもその会社自体がもうヤバイという話になったら、全てのキャッシュフローの根源が尽きる。

 何もせず土地だけ貸して儲かるなんてことが、地方都市とかで可能になると思うほうもアホです。うまい話には必ずウラがあり、その責任を個人が負って、自己破産して終わり、でいいわけです。自分でしっかり計算して賃貸経営しないといけませんよ、という当たり前の話ですね。

そういうインセンティブで大量のペラペラ賃貸物件が供給され、現在と将来の空き家になり、地銀の与信問題にまで延焼し、下手をするとそれらの救済にワタクシたちの税金が「地方再生」の名の下に、さらに流し込まれる、という構図はいくらなんでもまずいでしょう。

 このまま行けば地方の負の連鎖がさらに拡大していきますね。そして結果的にメディアが騒いで妙な「社会問題」を作り出して、そのマイナスを国が全部引き受けてしまって(=国民がすべて税負担させられて)、結局投資家と金融機関が得をする──なんて変なことにならんよう、祈るばかりです。これじゃ、第2の国鉄です。

 ここがまさに行政の出番です。全体の総量規制などをかけつつ、無駄な開発は「社会にとって負荷となり、国や自治体も損をする」ということを意識してほしいもんであります。

※AERA 2019年2月25日号

最終更新:2/24(日) 7:00
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