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浜村副会長が語る、日本eスポーツの「まとめ役」ができた理由

2/21(木) 7:05配信

FRIDAY

目的はeスポーツをオリンピック競技にすること

2018年、流行語大賞のトップテンに入るほど大きな注目を集めたeスポーツ。日本国内でも、数々のイベントが開催され、競技人口も右肩上がりだ。その熱狂のど真ん中、eスポーツの「現場」にいる当事者たちはこの盛り上がりをどう感じているのか。

第4回目は、日本eスポーツ連合(JeSU)で副会長を務める浜村弘一氏。昨年2月に発足したJeSUは、いわば日本eスポーツの「まとめ役」だ。浜村氏はゲーム雑誌『週刊ファミ通』の編集長などを務め、「浜村通信」の名で数々のコラムを書き、長年にわたりゲーム業界を見守ってきた人物でもある。業界の指南役ともいえる浜村氏に、JeSUの取り組みを訊いた。

「eスポーツ自体は10年も20年前から行われており、これまでにいくつかの団体も存在していました。その中から、日本eスポーツ協会、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟(JeSF)の3団体が統合し、誕生したのがJeSUという団体です。

我々JeSUは、eスポーツをオリンピックなどの国際大会の競技種目として登録してもらうため、JOCへの加盟を目指しています。通常、スポーツ団体は1競技に対して1団体が原則。そのために複数あったeスポーツ団体をひとつにまとめる必要があったのです」(浜村副会長)

最終目標にオリンピックへの参加があるのは間違いないが、JeSUの存在意義はそれだけではない。各団体やメーカーによってバラバラだったeスポーツ事業の取りまとめやゲーム業界外からの窓口として、個別対応でなく、包括的に対応できる組織としても存在している。

「JeSUにはいろいろな仕事があるのですが、大前提としてあるのは、eスポーツの普及です。eスポーツを世の中に知ってもらい、認知してもらうこと。具体的にいうと、青少年のeスポーツ選手としての育成、選手の地位の向上、選手の活躍の場を増やすことを目標に活動しています」(浜村副会長)

eスポーツがオリンピック競技となるかどうかは、世間的にも見解が分かれている。実際、IOCが導入に前向きという報道があったと思えば、トーマス・バッハ会長が採用できない旨の発言をしたりと、先が読めない状況だ。

また、eスポーツは特定のゲームタイトルを競技とするため、著作権や放映権の問題が発生する。これらの権利関係をクリアにしないと、スポーツ競技として認められることは難しいだろう。浜村氏もその点については指摘する。

「他のスポーツ団体と違うところは、eスポーツにはIPホルダー(著作権保有者、ここではゲームメーカー)が存在しているところです。なので、大会運営とIPホルダーを繋ぐ橋渡し的な存在が必要なんです。世論としてはeスポーツとリアルスポーツに乖離があると見られていることも多く、オリンピック競技になることに反対する意見もあります。そのあたりの働きかけや啓蒙活動をもっと地道に行っていかなくてはいけない」(浜村副会長)

実務的な作業としては、ゲーム作品の「公認eスポーツタイトル」への審査・承認、それに伴うプロライセンスの発行、国際大会への選手の派遣なども行っている。

このプロライセンスというものが厄介だ。2019年2月現在、JeSUが認定しているゲームタイトルは、『ウイニングイレブン2019』、『ストリートファイターV』、『パズドラ』、『ぷよぷよ』などの11タイトル。この認定タイトルで優秀な成績を収めた人物に対して、ライセンスは発行される。では、このタイトルはどのようにして決まっているのか。

「基本的にメーカーからの申請により審査をしています。申請されたタイトルにeスポーツとしての競技性と、大会をある程度の期間続けられる継続性があるかなど、さまざまな基準を設け、それに見合うタイトルを認定しています。公認すべきタイトルと判断された場合でも、IPホルダーとJeSUの間で、具体的にどの大会から実施すべきかを協議しており、適切なタイミングを見計らって発表するようにしています」(浜村副会長)

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最終更新:2/21(木) 7:05
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