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この秋、日本初上陸! 台北発のお洒落本屋「誠品書店」は、日本でも成功するのか?

2/23(土) 12:10配信

FRIDAY

誠品書店は、1989年、呉清友によって創業される

その頃、台湾は38年も続いていた戒厳令が解かれたばかり。海外の映画や雑誌の輸入が禁止されていた文化の鎖国とも言える戒厳令時代、若者たちは、密輸で持ち込まれた雑誌をこっそり見て外国の情報を得ていた。

私が台湾に来たのは、台湾では芸術的なことがあまり理解されない時代。私が、美大出身だとわかると「芸術なんて食っていけないものを勉強するなんて…」「親に反対されなかった?」と言う人が何人もいて、「なぜだ?」という気持ちになったことをよく覚えている。誠品書店は、そんな時代の台湾で、文化やアートやライフスタイルの書籍の専門店としてスタートする。

“勢い満点で堪え性がない”のが台湾人気質。気軽に起業して、思った結果が出ないと3ヵ月でもたたんでしまうのはよくある話。呉清友の場合、バックには文化に理解の深い投資家のサポートがあったのだが、創業から連続15年の赤字を計上しながらも、世界的に評価される誠品書店を一代で築き上げた創業者・呉清友の精神力や情熱は、台湾人らしからぬものがあったと言える。

この誠品書店の現在の成功までの軌跡は、文化的なことに携わる台湾人なら誰もが知っていることで、2017年7月に呉清友が心不全で急逝した際には、ネット上に老いも若きも、各方面から追悼の言葉が上がった。

「台湾の今の文化面の基盤は、誠品書店が作った」台湾中の誰もが、そう再認識したのだ。

2006年、売り場面積の一番大きな誠品書店・信義旗艦店がオープン

この信義店から、単なる本屋というより「本をメインにした洒落たものを売るデパート」という印象がさらに強くなる。

ライフスタイルの書籍のフロアには、輸入雑貨のテナントがちょこちょこ入っていて、本を立ち読みして触発された“物欲”は、その側のお店で“発散(購買)”できる造りに。たぶん、このスタイルを「蔦屋書店」が取り入れたのだと思う。

料理本のコーナーの横には、料理の写真を見て、食欲に火がついた人を待ち受けるレストランカフェがある。この料理本コーナーが、更に凄いのは、店内に立派なキッチンも備えていて、本が並ぶ中で料理の実演講座ができるところだ。目の前でジュージュー言って匂ったら、そりゃ、人は集まるし、本も買う。

他にも立派な視聴覚室や、写真展やライブもできるほどの広いスペースも作られ、本だけでなく文化を発信する現在の誠品書店のスタイルが確立された。

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最終更新:2/23(土) 12:10
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