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「1本25万円」の生ハム店に予約が絶えない理由

2/26(火) 5:10配信

東洋経済オンライン

世の中では、高くても意外なものが飛ぶように売れている。しかし「いいものを高く売ろう」と考えても、なかなか実現できない人は多い。違いはどこにあるのか? 『なんで、その価格で売れちゃうの?』(PHP新書)でさまざまな価格戦略を紹介した永井孝尚氏が、その秘密に迫る(本記事は、同書からの引用記事です)。

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■単価5000円の居酒屋としてスタート

 ある日、山本さんという若手経営者から手紙が届いた。私の本を読み、「価格を下げず、価値を上げる」という考え方を参考にして、自社に取り入れているという。

 手紙を読み進めて驚いた。経営する居酒屋で「52歳経営者」をターゲット顧客にして、1本25万円の生ハムセラー(食品貯蔵庫)を始めたところ、行列待ちの大人気だという。「これはぜひお話を聞かなければ」と思い、数日後、ご本人に会って詳細を伺った。

 山本さんの挑戦には、価格競争の世界から抜け出し、ターゲットのお客さんを見極め、高い価値を創り出すためのヒントがたくさんあった。「ぜひ読者の皆様と共有したい」と思い山本さんに相談したところ快諾をいただいたので、ここで紹介したい。

 山本さんの会社は、先代の父親が社長の時代に、日本で初めてスペイン産のイベリコ豚を輸入した。イベリコ豚はスペインでもごく一部でしか飼育されていない。その中でも天然ドングリや牧草、香草を食べて育ったイベリコ豚は「ベジョータ」と呼ばれる。

 この会社はイベリコ豚血統100%の「レアル・ベジョータ」を輸入する日本で唯一の業者だ。イベリコ豚全体の中で2%しかいない最高級品で、味も栄養も比べものにならないという。

 山本さんがレアル・ベジョータを輸入できるのは、父親が現地で築き上げた深い人間関係の賜物である。しかし父親は2011年に急逝。若い山本さんが後を継いだ。イベリコ豚は生ハムで食べることが多い。そこでこの会社は、イベリコ豚が食べられる店「IBERICO‐YA」を単価5000円の居酒屋としてスタートさせた。

 しかし経営を引き継いだもののうまくいかず、売り上げはジリ貧に。そこで「最高級イベリコ豚の価値が本当にわかるお客様にターゲットを絞ろう」と考えたという。

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