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「1本25万円」の生ハム店に予約が絶えない理由

2/26(火) 5:10配信

東洋経済オンライン

 バリュープロポジションをまとめると、図のとおりだ。

 このようにIBERICO‐YAは、「生ハムセラー」という新市場を創り出し、人気になっている。

■生ハムセラーのブルーオーシャン戦略

 では、どのようにしてこれを実現したか?  新規市場を創り出す戦略「ブルーオーシャン戦略」に沿って、IBERICO‐YAの挑戦を見てみよう。

 ブルーオーシャン戦略では、競争が激しい市場をライバル同士が血で血を洗う状況にたとえて「レッドオーシャン」、競争がない未開拓市場を青い大海原にたとえて「ブルーオーシャン」と呼ぶ。

 居酒屋市場は、まさに数多くのライバルがひしめくレッドオーシャンだった。IBERICO‐YAは、このレッドオーシャンから抜け出し、「生ハムセラー」というブルーオーシャンを生み出したのである。

 まず、一般的な居酒屋の状況から考えよう。

 顧客から見て一般的な居酒屋を選ぶ基準は、「価格」「クーポンが使える」「入店しやすさ」「宣伝」「メニューの豊富さ」「おいしさ」などだろう。このようにお客さんから見て店を選ぶ基準のことを、ブルーオーシャン戦略では「顧客視点の競争要因」という。

 そして顧客視点の競争要因を横軸に取り、それぞれ顧客から見たレベルを「高い」「低い」でスコアを付けると、一般的な居酒屋の戦略がわかる。この図を、ブルーオーシャン戦略では「戦略キャンバス」と呼ぶ。まっさらな帆布を「キャンバス」というが、まさにこれから戦略を描くためのまっさらな画板である。

 そしてこの戦略キャンバス上に描かれる曲線を、顧客に提供する価値を示すことから「価値曲線」という。価値曲線は、ちょうどキャンバス上に描かれる絵画のようなものだ。戦略キャンバス上に価値曲線を描くと、絵画のように戦略の全体像が一目瞭然だ。

■優越感に浸りたい52歳経営者をターゲットに

 次にターゲット顧客について考えてみよう。

 山本さんはターゲット顧客を「52歳の経営者。優越感に浸りたい、人に自慢したい、モテたいと思っている人」と考えた。この人たちにとって一般的な居酒屋はつまらない。

 「仕方なく居酒屋に行く」という人もいれば、「あえて居酒屋には行かない」「居酒屋に行くなんて考えたこともない」という人もいる。つまりこれらのお客さんは、非顧客層なのだ。

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