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なぜか誰もやらない「K-POP産業の市場規模」推計をやってみた

2/27(水) 10:00配信

現代ビジネス

 「K-POP産業」はいったいどれくらいの規模なのか? 大手事務所の経営は順調なのか? 株式市場からはどう評価されているか? K-POPを論じる上で前提となる基本情報について整理されている記事は意外と少ない。全4回の連載となる本稿では、その実態をファクトと数字に基づいて解き明かしてゆく。

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第1回:K-POP市場は本当に巨大か? ファクトで分析するその「実力」
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K-POP市場の規模はどれくらいか?

 今回から、ようやく「K-POP市場とは具体的にどのくらいの規模なのか?」という話に入っていこう。

 まず、世界各国の音楽市場をPhysical(音盤)、Digital(ダウンロード+ストリーミング)、Perfomance rights(演奏権。いわゆる著作権使用料)、Synchronization(シンクロ権。音楽作品そのもの以外で楽曲を使う際の権利料)を合算して集計したIFPI(International Federation of Phonogram and Videogram Producers)の調査を見よう。

 2017年実績は、韓国は音盤18億1400万ドル、デジタル29億1600万ドル、演奏権2億40万ドル、シンクロ権1200万ドル、合計49億4000万ドルで世界第6位の市場だ。

 それより上位は1位がUSで591億8100万ドル、2位が日本で272億7500百万ドル、3位がドイツで132億3100万ドル、4位がUKで131億700万ドル、5位がフランスで92億5100万ドル。

 ちなみにこの10年前の2007年には、日本は351億500万ドル、韓国14億400万ドル。この10年で日本は22%市場が縮小、一方、韓国は3.4倍成長している。かつては「韓国の音楽市場は日本の35分の1」と言われたが、今やIFPI調査でわかる範囲の市場だけでも5、6分の1まで差が縮んでいる(なお人口は日本1億2700万人、韓国5125万人で約2.5倍差。GDPは日本が4兆9400億ドル、韓国が1兆4100億ドルで3.5倍差)。

 しかも直近では、韓国は世界でも珍しく音盤市場が成長している国である。2015年には8億9500万ドルだったのが2016年には11億800万ドル、2017年には18億1400万ドル。なにゆえか? 
 〈アイドルグループWanna OneのファンAさんは昨年末、Wanna OneのCDを210枚も購入した。代金はおよそ400万ウォン(40万円)。そんなことをした理由は、CDに1枚ずつ同封されているファンサイン会応募券を手に入れるためだった。Aさんはこうして210枚の応募券を出したが抽選に落ちた。AさんはツイッターにCDの写真を載せ、「当選者のほとんどはCDを100枚以上買ったと思う」と書き込んだ。

 ファンサイン会で好きな芸能人に会うためCDを数百枚購入する人が現れ、こうした人々を狙った商売も生まれている。アイドルが広告モデルを務めている衣類・シューズメーカーは、服や靴を一定以上購入するとファンサイン会応募券1枚をプレゼントする。ファンは服や靴を数百万ウォン(数十万円)分購入し、ファンサイン会に応募することもある。応募券は、オークションサイトで数万ウォン(数千円)台で売られている〉(「朝鮮日報」2018年4月15日、「アイドルサイン会チケット争奪戦激化、数百万ウォン費やす人も…」)

 というわけだ。ともあれ、IFPI調査でわかる範囲での韓国の音楽市場は約500億円。

 「音楽」の輸出額については、韓国の文化体育観光部発表によると、2017年は4億4257万ドル。

 K-POPは韓国国内での売上よりも海外売上の方が大きいと思っている人もいるかもしれないが、IFPIと韓国文化体育観光部発表のデータを見る限り、おそらくそうではない(もっとも、個別企業の売上では海外の方が大きい場合は当然ある。たとえばGRADUATE SCHOOL OF STANFORD BUSINESS発行のケーススタディ用教材「SM Entertainment」に記載されたSMの2010年から14年1Qまでの売上を見ると、韓国国内よりも海外売上の方が大きい年がほとんどだ)。

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最終更新:2/27(水) 10:00
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