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【東日本大震災、医師たちの奮闘】「心の問題で自殺する人を一人でも減らしたい」 心のケアチームとして陸前高田市で巡回型心のデイケアを実施した医師が語る3.11 【千葉県松戸市 旭神経内科リハビリテーション病院院長 旭俊臣医師】

2/28(木) 11:00配信 有料

デイリー新潮

【東日本大震災、医師たちの奮闘】「心の問題で自殺する人を一人でも減らしたい」 心のケアチームとして陸前高田市で巡回型心のデイケアを実施した医師が語る3.11 【千葉県松戸市 旭神経内科リハビリテーション病院院長 旭俊臣医師】

 東日本大震災から今年で8年が経過する。未だあの日の記憶を鮮明に覚えている方は多いだろう。M9という観測史上最大の地震に加え、私たちの想像をはるかに超える大津波。死者、行方不明者合わせて1万8千人を超える未曾有の被害をもたらした大震災だが、そこでは多くの人々が「生きる」ために奮闘したことも忘れてはいけないだろう。命の可能性を信じ続けた医師のドキュメンタリーをシリーズでお届けする。
 
 第4回は、千葉県から「心のケアチーム」の一人として陸前高田市に入った旭俊臣さん。地元の保健師さんと連携し、巡回型心のデイケアを実施した。「自殺を減らした」という強い信念をもって、被災者の方たちの心のケアに従事した旭さんが、被災地で感じたこととは――。((以下、『救命 東日本大震災、医師たちの奮闘』(海堂尊監修)より抜粋。※肩書・役職・年齢等は2011年の取材時のものです)

 ***

 私が千葉県「心のケアチーム」の一人として、最初に陸前高田(りくぜんたかた)市に入ったのは、震災から約一カ月半経(た)った五月一日から五日までの五日間です。メンバーは、旭神経内科リハビリテーション病院の看護師、医療相談員、作業療法士、臨床心理士一人ずつと精神科医の私の五名でした。

 陸前高田には、十年以上前に一度来たことがあるだけなので、震災前の様子をはっきりと覚えてはいませんが、とにかく報道で見た映像の何倍ものすさまじさでした。遠浅だから、海岸線の部分がザーッと全部さらわれてしまったのです。津波の被害にあった地域は海岸線からある境界の所まではもうガレキの山なのに、そこから高台の部分にはほとんど影響がない。破壊された所は徹底して破壊されつくしてしまって、そこから内陸部のほうに関してはなにも変わっていない。その対照的な光景に、言いようのない恐ろしさを感じました。

 私達が入ったころには、少しずつ片付けが進められていましたが、千葉県から派遣されて第一班として四月一日に現地入りした精神科の先生は、行けども、行けどもガレキの山だったそうです。道路だけはきれいになっていてズーッと通じてるけど、一部の鉄筋の建物が残ってるだけで、あとはほとんど形なくやられてるから、「その先に何があるんだろう。どうなってるんだろうと不安にかられながら行った」と話していました。 本文:13,990文字 写真:7枚 ...

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(インタビュー・構成 新潮社取材班)

最終更新:2/28(木) 11:00
記事提供期間:2019/2/28(木)~10/26(土)
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