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地方自治体が廃業予定の会社に値段をつけるワケ (岡崎よしひろ 中小企業診断士)

3/1(金) 6:57配信

シェアーズカフェ・オンライン

跡継ぎがいない企業をどうするか、事業承継の問題が注目されています。政府は事業承継問題に取り組むため、10年間を事業承継の集中実施期間として位置づけて対応をするなど、取り組みを強化しています。

背景として、このまま事業承継に対して特別な取り組みをしなかった場合、日本の経済に大きな影響が及ぶとの試算があり、危機感を強めているのです。

『中小企業・小規模事業者の事業承継問題を放置すると、廃業の急増により2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用と約22兆円の国内総生産(GDP)を失う可能性があることが経済産業省・中小企業庁の試算で明らかになった。
事業承継問題放置でGDP22兆円損失?中小企業庁試算 日刊工業新聞 2017/09/27』

地域の雇用や経済を支えているのは地域の小規模事業者、中小企業です。それらが廃業してしまうと、GDPといったマクロの指標だけでなく、地域の屋台骨が崩れてしまうと懸念されています。そのため、政府としても事業引継ぎ支援センターや事業承継税制など様々な支援策を打ち出しています。しかし、なかなか事業承継が進んでないというのも事実です。このような状況に対して、一つの方法が動き出しています。

■廃業予定の事業に価格をつける
長崎県では、廃業予定の小規模事業者の事業を査定する取り組みを始めています。

『県は新年度、廃業を予定する小規模事業所の事業価値を無料で簡易査定し、事業承継につなげる取り組みを始める。事業主の高齢化や後継者不足に伴う廃業を防ぎ、会社を第三者らに円滑に引き継ぐのが狙い。県外からの移住の後押しになることも期待している。
廃業予定者の事業価値 承継へ無料簡易査定 長崎新聞 2019/02/19』

廃業予定の事業にただ値段をつけるだけで何が変わるの?と疑問に思われる方もいるかもしれません。しかし値段をつける事には非常に意義があるのです。

■値段がつくと市場が生まれる可能性がある
売っていないものは買えません。当たり前のことですが、忘れがちな考え方です。もちろん従来から、事業の売却という手段は存在していました。しかしハードルも高く、ほとんどの人は事業を売却するといった発想を持ちませんでした。そのため基本的には事業承継するか廃業するかの二択だったのです。

しかし事業に値段がつけば、せっかくだから売りに出してみようかと考える人が出てくるかも知れません。すると価格によっては買い手がつくかも知れません。

このように売り手と買い手がいればそこに市場が生まれるのです。

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最終更新:3/1(金) 6:57
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