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池田エライザ、小島秀夫らが『私の20世紀』4Kレストア版に絶賛コメント

3/2(土) 13:00配信

リアルサウンド

 3月30日公開の映画『私の20世紀』4Kレストア版に、各界の著名人が絶賛コメントを寄せた。

『私の20世紀』ポスター

 本作は、第90回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、第67回ベルリン映画祭金熊賞受賞作『心と体と』のイルディコー・エニェディ監督の長編デビュー作。19世紀末から20世紀の始まりを双子の姉妹とともに辿る、おとぎ話のようで風刺が散りばめられた作品だ。第42回カンヌ国際映画祭でカメラドール<新人監督賞>を受賞し、当時のニューヨーク・タイムズ紙で「フェデリコ・フェリーニ監督『8 1/2』以来、最も素晴らしく美しいモノクロ映画」と絶賛された。

 今回、本作に称賛コメントを寄せたのは、女優の池田エライザ、KIRINJIの堀込高樹、ゲームクリエイターの小島秀夫、映画監督の山中瑶子ら各界の著名人9名。作品について、それぞれの思いを述べている。

●著名人コメント
池田エライザ(女優)
絵本を手に取り、鉛筆で描かれた線一つ一つに作り手の愛を感じて、作者に想いを馳せる。あの感じによく似た気持ち。最後の1ページ、まだ終わってほしくない。けれど早く布団をかぶって夢の中でまた、美しいあの場所に行きたい。現代カオスに埋もれかけていた感覚全てを取り戻しました。

●ヴィヴィアン佐藤(美術家/非建築家)
電気が発明され、時間、空間、光が細分化され、選択可能な運命をもつ「私」が発明された20世紀。次の100年はその細分化がさらに進み、その差異すら無意味となり、再び大きな物語が動きだすかもしれない。
これは人類が物語ることへの希求を照射した現在の物語である。

●小島秀夫(ゲームクリエイター)
30年前、レンタル屋の新作コーナーで本作に出会った。20世紀の終わり近くに現れたVHSというメディアのジャケットに映る美しい女性に惹かれたのだ。
懐かしくも実験的、滑稽でいて風刺的、モノクロでありながらも美しい映像に、私は“心と体と”を魅了されてしまった。あの美女の名前は失念してしまったが、イルディコー・エニェディ監督の名は“心”に残った。昨年、監督の新作に再会した際、原点である本作を無性に観直したくなった。このたびの4Kリストア版の劇場公開は、まさに世紀を超えた文芸復興である。私たちの21世紀に、あの魔法の様な時代の変わり目を追体感することで、私たちが見失いつつある「心と体と」がひとつになるに違いない。

●五所純子(文筆家)
20世紀に見た夢、20世紀を見る夢。
これは過去に立ち戻って飛躍をしこんだ前衛映画。
1989年につくられた1900年前後の出来事を2019年に映しだす世界旅行。
人類が最先端の20世紀に出会うために。
わたしは20世紀にいる。

●遠山純生(映画評論家)
電気にまつわる技術革新がいまだ“奇跡”と同義であった時代に立ち返るこの映画は、20世紀を回顧するのではなくありうべき未来に思いを馳せる。

●中沢新一(宗教学者)
ハンガリーは「西欧に突き刺さったアジアの棘」と呼ばれた国。そこには西欧に展開したのとは異なるモダン文化が花開いた。二十世紀モダンの光と闇を映し出す最高の鏡であるハンガリーのアヴァンギャルド芸術が、この夢のような傑作を生んだ。

●堀込高樹(KIRINJI)
エジソンの電球、オリエント急行、アナーキスト、鏡の部屋。美しい映像詩に幻惑されます。20世紀は双子のマッチ売りの少女が擦って魅せてくれた束の間の夢だったのでしょうか。

●山中瑶子(映画監督『あみこ』)
思考停止の今日、わたしたちはパブロフの犬だ。後戻りできないと思い込むとき、偉大なる発明家エジソンの憂いた表情を思い出す。彼は預言者でもあった。だがしかしこれは、人工の光が勝ち取ってきた、目覚ましい映画。

●若木信吾(写真家)
現代は僕らが重要な選択をしてきたからこうなったのか、してこなかったからなのか。おそらくは両方だろう。選んだつもりもないのに、気がつけば、あるひとつの道を歩んでしまっているのだ。19世紀末を振り返る映画が20世紀後半につくられ、それを21世紀に生きる僕たちは見ている。「レストア版」は過去の選択を反省する機会なのか、それとも新たな選択を投げかけているのだろうか。

リアルサウンド編集部

最終更新:3/2(土) 13:00
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