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飼い主のいない動物に向き合う獣医師

3/4(月) 14:23配信

オルタナ

各地の動物愛護団体の地道な活動により、年々、犬猫の殺処分数は減っています。しかし一方で、命はありながらも危険にさらされ、劣悪な環境で生きる犬猫たちがいることをご存知でしょうか。「飼い主のいない動物たちの生に向き合う獣医師も必要なのではないか」。そう感じた一人の獣医師が、課題解決のために立ち上がりました。(JAMMIN=山本 めぐみ)

保護しなければならない犬猫をこれ以上増やさないために

岐阜を拠点に活動するNPO法人「人と動物の共生センター」。理事長を務めるのは、獣医師の資格を持つ奥田順之(おくだ・よりゆき)さん(33)。獣医学部に通っていた学生時代、飼い主から愛され大切にされる犬猫がいる一方で、人知れず殺処分される犬猫がいることに違和感を覚えたといいます。

「置かれた立場によってこんなにも扱いが違うんだということを知った時、矛盾を感じた。飼い主さんがいる動物は、たくさんの獣医師がその命のためにがんばっている。けれど、飼い主のいない動物たちの生に向き合う獣医師も必要なのではないかと感じ、それを自分が担いたいと活動を決意した」と、活動を始めたきっかけを振り返ります。

「殺処分される犬猫の問題は社会的に注目を集めているが、私たちは『蛇口を締める活動』、つまり保護しなければならない犬猫がこれ以上生まれないよう、『野外で繁殖する犬猫を減らす』『飼い主が飼えなくなってしまった犬猫を減らす』『ペット産業において余剰となってしまう犬猫を減らす』活動をしている。よく水道の蛇口で例えられるが、保護活動はあふれ出た水をすくっている状態といえる。殺処分ゼロになっても保護される動物はゼロにならない今、あふれ続ける水を止めることが必要」

野外猫のロードキル推定数は同じ年に殺処分された猫の数の8倍

人と動物の共生センターの活動のひとつが、野外犬や野外猫の調査です。2018年度には全国の野良猫のロードキル(交通事故による轢死)の数を調査しました。

「私たちの調査によると、野外猫のロードキル数は推定で347,875匹。同じ年の殺処分数(43,216匹)の8倍にもなる。動物愛護の活動では殺処分数に注目が集まることがほとんどだが、同じように失われている命があるという事実をまず知ってほしい」と訴えます。

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最終更新:3/4(月) 14:23
オルタナ

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