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共感を得るのは身体表現をともなったコミュニケーションvol.1

3/4(月) 8:03配信

Meiji.net

共感を得るのは身体表現をともなったコミュニケーションvol.1

嶋田 総太郎(明治大学 理工学部 教授)

近年、居ながらにして様々な情報をリアルに体験できるヴァーチャルリアリティ(VR)の技術を活用したサービスが、様々な業界において開発されています。このVRの発展を支えている研究分野のひとつに、認知脳科学があります。脳の情報処理を解明していく研究は、VRにとどまらず、人間の社会性や、人間そのものの解明につながっていくといいます。

◇「認知脳科学研究室」のキーワードは「身体」

人は、視覚や触覚など様々な入力情報をどのように処理し、思考や行動につなげていくのかを研究する学問分野として、認知科学があります。

そこには、心理学や哲学をはじめ、言語学、文化人類学、情報科学、コンピュータ科学、AI(人工知能)など、様々な研究分野が関わってきます。

その中に、認知脳科学もあります。認知脳科学とは、脳の情報処理という観点から、人間を理解しようとする学問分野なのです。

脳の研究というと、思考や意識を中心としたものと思われがちですが、実は、私の「認知脳科学研究室」の研究テーマの大きなキーワードは、「身体」です。

そもそも、脳に入ってくる情報は身体によって感知されたものであり、それを脳が情報処理し、環境に働きかけるために指令を出すのも身体に対してです。

そういった意味では、脳の活動にとって身体は欠かせないものですが、それだけでなく、脳が環境を認知し、判断する機能そのものに、身体は大きく関わっていると考えます。

例えば、コンピュータであれば、同じ情報を入力すると、同じ答えが返ってきます。

しかし、人の場合、同じ情報でも、健康なときと身体の具合が悪いときでは、答え、つまり脳の判断は変わります。

また、身体形状が小さい幼児期と、大きい青年期でも、環境の認識の仕方は変わってきます。

つまり、人にとって身体とは、コンピュータにおける単純な入力装置とは異なり、脳の機能そのものの根っこにあるものと考えられます。

脳による認識とは、知覚による情報のみで行われるのではなく、環境への働きかけである身体の運動の情報がともなって行われるのであり、脳の認識と身体の運動は、いわばループ構造になっているといえます。

※取材日:2018年1月

次回:脳の自己身体イメージを錯覚させる実験(3月5日8時公開予定)

嶋田 総太郎(明治大学 理工学部 教授)

最終更新:3/4(月) 8:03
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