ここから本文です

ウルトラセブン「ポインター号」造った男の情熱

3/4(月) 5:00配信

東洋経済オンライン

 「ウルトラセブン」には小田急線がよく似合う。製作した円谷プロダクションが小田急沿線にあったことから沿線各地で撮影が行われたという理由もあるが、ロマンスカーの車内に宇宙人が出現したこともある。第2話「緑の恐怖」。疾走する小田急ロマンスカーNSEの車内で、宇宙ステーションV3から一時帰還した地球防衛軍の隊員がワイアール星人に変身するというシーンである。

【写真】保存されたロマンスカーNSEと並ぶポインター号

 さて、ここに地球防衛軍の「ポインター号」とロマンスカーが一緒に映っている写真がある。ウルトラセブンが放送された1967年ごろの写真のようにも見える。しかし、この写真が撮影されたのは実は昨年9月。よく見ると、映っているロマンスカーはNSEではなく、その後に登場したLSEである。

 では、ポインター号は?  どう見ても本物そっくりなのだが、実はファンによる自作である。

■実物大の「模型」

 ポインター号の斬新なデザインは、テレビの前の子どもたちにとって「未来のクルマ」だった。所有したいが所有できない。だからこそ、多くの人はミニチュア模型を購入して所有欲を満たす。その意味で、実寸大モデルの制作とは、究極のファン行為である。

 そんなあこがれの行動をやってのけたのは、千葉県在住の会社員、城井康史さんだ。

 特殊装備を備えたスーパーカーという設定のポインター号だが、実際は1957年式クライスラー「インペリアル」を改造したものだ。放映当時ですら10年落ちの中古車両。撮影時は故障が多くしょっちゅうエンストしていたという。

 そんな手を焼く車両を入手して、本物そっくりに改造して、車検を通した。休日にはイベントやロケ地巡りに使われる実用車だ。

 もちろん、ここに至るまでの道は一筋縄ではいかない。

 城井さんは1963年生まれの55歳。この年代には幼少時にウルトラセブンに魅了された人が多い。城井さんが初めてウルトラセブンをテレビで見たのは幼稚園の頃。メカデザインのインパクトに強く影響を受けたという。

1/6ページ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事