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日本人は知らない…国民が働かなくても「豊かに暮らせる国」の正体

3/5(火) 11:00配信

現代ビジネス

異常なニッポン

 日本では昨年末に、経産省と産業革新投資機構(JIC)の経営陣との対立が話題となりました。

 JICは約2兆円もの投資能力を持つ国内最大の官民ファンドだが、昨年、民間出身の取締役と経産省側が報酬水準をめぐって対立。最終的に民間出身取締役9人全員が辞任するという異例の事態に発展したことは記憶に新しいでしょう。

 日本人にとっては官民ファンドの在り方について考えさせられる一件だったと言えますが、世界から見ればこれは少しおかしな風景に見えていたかもしれません。世界を見渡した時、政府系ファンドの存在感や役割が日本とは大きく違っていることが背景にあるからです。

 では、グローバルでの政府系ファンド (SWF)の活動内容や位置づけはどうなっているのか。どのような人物が中核を担っていて、報酬はどうなっているのか。日本ではあまり知られていないそんな世界の政府系ファンドの実態について紹介したいと思います。

国民が働かなくても食べていける

 その役割や資金源は様々ですが、政府系ファンドについてのデータをまとめているSovereign Wealth Fund Instituteの調査によると、残高でみた時の政府系ファンドのグローバルトップ10は下記のようになっています。

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1位;Government Pension Fund (ノルウェー)=1兆ドル(約110兆円)
2位;China Investment Corporation(中国)=9400億ドル(約100兆円)
3位;Abu Dhabi Investment Authority(UAE)=8300億ドル(約90兆円)
4位;Kuwait Investment Authority(クウェート)=6400億ドル(約70兆円)
5位;SAMA Foreign Holdings(サウジアラビア)=5100億ドル(約56兆円)
6位;Hong Kong Monetary Authority Investment(香港)=4600億ドル(約50兆円)
7位;SAFE Investment Company(中国)=4400億ドル(約48兆円)
8位;GIC Private Ltd(シンガポール)=3590億ドル(約39兆円)
9位;Qatar Investment Authority(カタール)=3200億ドル(約35兆円)
10位;National Social Security Fund(中国)=3000億ドル(約32兆円)
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 これらの政府系ファンドは大きく2つに分かれ、ノルウェーやクウェート、サウジアラビアに代表される産油国の莫大な国家収入の余剰を運用しているものと、中国やシンガポールのように国家予算をつけたり外貨準備を活用したりして、産業振興や国庫を富ませるために運用しているものに分けられます。

 残高で上位に入っているノルウェーやアラブ首長国連邦 (UAE)のアブダビ、クウェート、カタールといったリッチな小国の政府系ファンドは、国民1人のあたりの残高が極めて大きいのがまた特徴です。

 その数値を見ると、ノルウェーは国民1人あたり約20万ドル(約2200万円)、アブダビは同150万ドル(約1.6億円)、クウェートは同60万ドル(約6500万円)、カタールは同100万ドル(約1.1億円)となっており、家族単位で考えると1億円かそれ以上の残高になります。

 これがなにを意味するかというと、ファンドがグローバルの資産運用の平均である年率5%のリターンを達成できると、ファミリー単位で500万円以上、アブダビやカタールでは数千万円の年間所得が得られることになります。

 極論すれば、国民が一切仕事をしなくとも政府系ファンドの運用収益だけで食べていける状態です。

 こうしたリッチな小国の政府系ファンドの主眼は、いずれ先細りとなる資源からの収入を代替させて、国民の豊かな生活を維持することにありますから、運用実績さえ残せば他の要素はあまり考慮されません。当然、優れた運用手腕がある外国人も高報酬で積極的に登用しており、数百万ドルからポジションによってはそれ以上の報酬が提示されるケースもあります。

 同時に、国家経済への影響が大きいので厳しい競争主義が適用されており、私の知り合いで大手投資銀行からアブダビの政府系ファンドに転身した人物も、激しい競争に疲れたらしくわずか2年程で再度投資銀行に戻っていました。

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最終更新:3/5(火) 11:00
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