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アカデミー長編アニメ賞の映画『スパイダーマン:スパイダーバース』は、あるべきヒーローの姿を示している

3/6(水) 18:11配信

WIRED.jp

アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』が、2019年のアカデミー賞で長編アニメ賞を受賞した。ヒスパニック系の少年が新たなヒーローとなったこのアニメ作品は、実写版ではなし得なかった軽快さと大胆な色合いで、未来のヒーロー像を示している。

多くの若者と同じ外見のヒーロー

多様なキャラクターが登場する映画『スパイダーマン』の長い歴史において、あるひとつのフレーズほど有名なものはないだろう。「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という言葉だ。

このフレーズはもともと、主人公ピーター・パーカーの叔父ベンが亡くなる時に残した教訓だが、はるか昔にマーベル・コミックの世界を離れ、国家元首から最高裁判所まで、ありとあらゆる人が使用する忠告にもなっている。

現在のところ、これこそが「スパイダーマン」を代表する言葉だが、新しいアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(日本では2019年3月8日公開)では、このフレーズはほとんど振り返られることがない。

それはいいことだ。2002年以来7本の映画が公開されている本シリーズにおいて、この新作映画は、この古くからの教訓を必ずしも繰り返す必要がないことを理解しているのだ。

それに、スパイダーマン映画をつくる人にとっての本当の責任は、スパイダーマンを使って価値のあることをなし遂げることにある。それはスパイダーマンをファンが求めるヒーローに仕立てることだ。『スパイダーマン:スパイダーバース』は、まさにそんな映画といえる。

ピーター・パーカーも登場

『スパイダーマン:スパイダーバース』の指揮を取ったのは、アクション・コメディ映画『21ジャンプストリート』と『LEGO ムービー』を愉快な作品に仕上げた2人組、フィル・ロードとクリス・ミラーだ。

『スパイダーマン:スパイダーバース』では、これまでの主人公ピーター・パーカーを物語の中心から外し、マイルズ・モラレス(声:シャメイク・ムーア)を前面に出している。11年のマーベル・コミックでスパイダーマンになったアフロラテン系のティーンエイジャーだ。

ただし、ピーター・パーカーがこの映画に存在しないわけではない。異次元から登場してくるのだ。この映画ではモラレスがヒーローだが、ほかのスパイダーマンたちも全員存在している。「スパイダーグウェン」も「スパイダーハム」も「スパイダーマン・ノワール」も「ペニ・パーカー」も、キングピン(リーヴ・シュレイバー)とドク・オック(キャスリン・ハーン)の陰謀のおかげで、多次元宇宙の別の場所からモラレスの世界にやって来る。

事態は嵐のような展開となる。新しいスパイダーマンが登場し、「放射能を浴びた蜘蛛に噛まれて…」とそれぞれの話を始めるたびに、さらにとんでもなくおかしなことになる。

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最終更新:3/6(水) 18:11
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