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鯨を“殺し続ける”反捕鯨国アメリカの実態

3/7(木) 11:51配信

PHP Online 衆知(Voice)

日本政府は昨年12月26日、鯨資源の管理を担うIWC(国際捕鯨委員会)からの脱退と1988年以来となる商業捕鯨再開を表明した。今年7月から、日本近海の排他的経済水域内(200海里)において商業捕鯨を再開する予定である。

八木景子氏は2015年、和歌山県太地町のイルカ漁を批判した『ザ・コーヴ』(2009年、米アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞)の反証として『ビハインド・ザ・コーヴ 捕鯨問題の謎に迫る』を発表し、大きな話題を呼んだ。捕鯨をめぐる政治の裏側を取材した八木監督は今回、政府の決断をどう評価したのか。さらにIWCという国際組織の実態について聞いた。

※本稿は『Voice』3月号、八木景子氏の「反捕鯨プロパガンダに屈するな」を一部抜粋したものです。
聞き手:編集部

反捕鯨国からも評価された作品

――八木監督の『ビハインド・ザ・コーヴ』は、日本の豊かな捕鯨文化を伝え、反捕鯨の環境保護団体への取材も敢行することで、運動の実態を浮き彫りにしました。作品に込めた思いについて教えてください。

【八木】 本作を撮ろうと思ったきっかけは、2014年3月に国際司法裁判所が日本の調査捕鯨の中止を命じた、と報じられたことです。

日本の鯨文化がなくなってしまうのではないか、という危機感を覚えると同時に、捕鯨の歴史や文化が国内外で正しく伝わっていない、と感じました。

そこで、イルカの追い込み漁を行なっている和歌山県太地町に4カ月間滞在しながら、取材・撮影を行ないました。制作と配給に掛けた800万円はいずれも自費で、なぜあれほど捕鯨問題にのめり込めたのか、自分でも不思議です(笑)。

――その甲斐あって2015年の公開以降、同作は世界中で注目を集めています。

【八木】 2018年にはロンドン国際映画制作者祭で長編ドキュメンタリー最優秀監督賞、ニューヨーク国際映画制作者祭で審査員特別賞を受賞するなど、反捕鯨国と思われていたイギリスやアメリカの映画祭でも幸い、高評価をいただきました。

ロンドンの同映画祭では、パッション(熱意)とバランス(調和)がある、映画の構成が良い、という3つの評価をいただき、ニューヨークの同映画祭では「これまで知らなかった捕鯨に関する歴史的背景を伝え、教育的な側面もある」とのことでした。

審査員は反捕鯨の人ばかりでしたが、ある意味でフラットに見てもらえたと思います。本作が日本の捕鯨を世界に理解してもらう1つの契機になったとすれば、嬉しい限りですね。

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最終更新:3/7(木) 15:31
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