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自治体が見た「引きこもり家族」の窮状、全国初の専門支援でできること

3/7(木) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● 引きこもりの「8050問題」に 立ち向かう自治体初の試み

 引きこもり長期高齢化に伴う「8050問題」が、ホットな話題になっている。

 8050問題とは、「はち・まる・ごーまる」と読む。80代の親が50代の収入のない子の生活を支えて行き詰まることで、8050問題に近づく「7040世帯」も含めて指すことが多い。特に最近増えているのが、制度の谷間に埋もれた「8050問題支援の先進自治体はどこですか?」というメディアや現場の行政関係者からの問い合わせだ。
 
 そんな“8050問題先進自治体”の1つと言えるのが、2017年4月にいち早く基礎自治体では全国初となる「ひきこもり支援センター」(愛称“ワンタッチ”)を開設した、岡山県総社市だろう。

 この“総社モデル”と呼ばれる取り組みは、市の後押しを受けて、社会福祉協議会の中に「ひきこもり支援センター」の専門相談員2人を配置。相談員が、電話やメール、来所、訪問で無料の相談に応じてきたほか、民生委員らを通じた実態調査や、引きこもる人たちやその家族などが気軽に立ち寄れて安心できる「居場所」づくり、相談員と一緒に本人や家族をサポートする「ひきこもりサポーター養成講座」を開催するなど、それぞれのニーズ合わせた対応をしてきた。

 そんな中で、同センターが最近、必要に迫られて立ち上げたのが「ひきこもり家族会」だ。

 センター開設から2019年1月末までに受けた相談者数は、延べ174人。相談の内訳は、本人や家族だけでなく、兄弟姉妹、親族、地域住民と多岐にわたる。そのうち、何らかの形で本人と相談できたのは58件。家族のみの相談は60件。家族にも会えず、関係機関への情報提供止まりになっているケースが56件あった。

 ひきこもり支援員で社会福祉士、精神保健福祉士でもある佐々木恵さんによると、家族のみの相談を聞いていると家族が孤立してしまっていて、同じ境遇にある家族が話し合える場が欲しい、という声が何人かの家族から上がったという。

 2018年度に入り、佐々木さんらは家族会への参加を希望する人たちに声をかけ、家族会の設立準備会を毎月開いてきた。その集まりの中で家族会をつくろうという機運が高まり、8月に発足したという。

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