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「大事なので2回言いました」が発揮する意外な効果

3/8(金) 11:53配信

PHP Online 衆知

<<幾度となく伝えているのに、何度も同じ説明を繰り返させられるーー。それは相手の記憶力に問題と片付ける前に、自分自身の伝え方を変えれば改善される可能性がある。

元カリスマ予備校講師の犬塚壮志氏が、自身の経験をもとに、自分の話が相手の記憶に残すためには、「リピート」を上手に使うことが効果的であると述べている。本稿では具体的に「リピート」をどう活用すれば、相手の記憶に残るかを伝える。>>

何度も同じ話を繰り返さなければいけない苦痛

「ついこのあいだ、話したばっかりなのに…」

職場などでこんな経験はないでしょうか?

会議やプレゼンだけでなく、単純な会話などで伝えたことが、一切覚えてもらっていない。そして、また同じ話をし直さなければならない。

そんなコミュニケーション上の二度手間が発生した経験は一度や二度ではないはずです。話し直さなければならないならまだしも、誤った伝わり方をしてしまったがために、取り返しのつかない大きなミスにまで発展する。

多かれ少なかれ、こういった「一回話したはずなのに、覚えてもらっていない」経験をした方は多いのではないかと思います。

私はもともと大学受験の予備校講師をしていました。ですので、一週間前の講義で話したことが、生徒の頭の中からすっぽり抜け落ちてしまってることは何度もありました。

その度に、また一から同じ説明をする羽目になるのです。頻繁にこういった経験をしたので、次第に、「どうにか1回の説明で、すべて伝わりきらないだろうか?」、そう考えるようになったのです。

記憶に残りやすい「話し方」の構成要素

私は、塾や予備校で20年近く教えてきました。その中で、生徒が1回の説明で覚えてくれた時と、そうでない時の違いを明らかにすることができました。1回の説明で理解してくれて、さらに覚えてくれる、そんな「説明記憶の方程式」が次式となります。

記憶量=回数×インパクト(感情の刺激)

この式を元に考えると、話した時の相手の記憶量は、話した回数とインパクト(感情の刺激)に比例します。感情に刺激を与えるようなインパクトを持って、繰り返し話す。

これが最も記憶に残りやすい話し方となります。一番伝えたいメッセージを、インパクトをくっ付けて、リピートするのです。

ただ、ここで言う「リピート」というのは、単に、同じ説明を何度も繰り返すだけでは非効率です。刺激的にリピートするのがコツです。相手に“これだけはわかっておいてもらいたい”というところのフレーズだけを切り出し、そこを中心にリピートするのです。

そうしないと、インパクトが薄れてしまうのです。ちなみに、各リピートのインパクトを強めるために私が予備校でよく使っていた前置きのキラーフレーズを紹介します。

「大事なことなので、もう一度言うね」

たったこれだけなのですが、前置きに入れるのと入れないのとでは天と地の差があります。それに、このフレーズを言うだけで、生徒の集中度も一気に高まるのです。

また、少し難しめの内容をしっかりわかってもらおうと話す際、一度の説明ではなかなかわかってもらえないこともあるかと思います。

そんなとき、同じことをリピートしてあげることで、2度目の説明でいきなり理解できてしまうことも実はあるのです。それがリピートの面白いところなんです。

ちなみにですが、1回目の説明ですでに理解してしまっている生徒がいた場合でも、私は次のようなフレーズを使うことで、聴き手の理解度に差がある場合でも、生徒たちに対して効果的な説明を行うことができてました。

「入試に絶対に出題されるところだから、くどいかもしれないけど、もう一回説明するね」

このフレーズを前置きとして話しに入れ込むと、1回目の説明ですでにわかっている生徒であったとしても、「あっ、そのテーマが出題されるんだったら、聞き逃してはマズい!ちゃんと聴いておこう!」こう思わせることができるんです。

結果的に、クラス全体での聴く姿勢が飛躍的に上がるのです。それに、リピートによって、聴き手にメモを取ってもらえる機会も増えます。これは、企業さまの研修を行う時も同じです。

「冒頭で話したことではあるのですが、今日の研修で絶対に持ち帰って欲しいことですので、もう1度だけ言いますね」

このように前置きを1つ入れるだけ、相手に残る印象はガラッと変わるものです。ここまで直接的でなくて構いませんので、本当に伝えたいことは、インパクトを高めながらリピートする意識をしていただければと思います。

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最終更新:3/8(金) 11:53
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