ここから本文です

パリには「サンローラン」が必要 粛々と “粋”をカタチにし続けるヴァカレロの力

3/11(月) 12:00配信

WWD JAPAN.com

「サンローラン(SAINT LAURENT)」の2019-20年秋冬コレクションは、80年代にメゾンのアイコンだった3人の女性へオマージュを捧げた。カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)、ビアンカ・ジャガー(Bianca Jagger)、そしてベティ・カトルー(Betty Catroux)。過去のコレクションでも何度も名前が上がってきた3人を、現在のクリエイティブ・ディレクター、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)は、まるで彼女たちのパワーを倍増させるかのようにパワフルに扱う。巨大なショルダーラインのジャケット、とても大きなリボンを飾ったドレス、フェザーで作るまん丸のドレス。特にムッシュ・サンローラン(Saint Laurent)の親友であり彼が作る服をこよなく愛したベティ・カトルーをほうふつとさせるパワーショルダージャケットが今季のイメージを決定づける。間違ってもリアルクローズとは言えないが、間違いなく「サンローラン」だ。

【画像】パリには「サンローラン」が必要 粛々と “粋”をカタチにし続けるヴァカレロの力

「サンローラン」というブランドは数多いパリブランドの中でもやはり特別な存在だ。パリのファッションは、業界関係者だけではなく一般の人たちも、今でもパリの街中にイヴ・サンローラン本人の亡霊を見続けているようなところがある。夜のパリの街角でスモーキングジャケットを着て立つ女性。手にはたばこ。ヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)のあの有名な写真に見る“粋”は普遍的だ。“詫び寂”が時代を問わず日本人の思考や文化の中に根ざしているように、パリの人たちには「サンローラン」的な “粋”が、大げさに言えば生きてゆくために大切なのだと思う。スモーキングジャケットに見る、女性性と男性性の両性を持つ官能的な強さは、この先も人々の心をとらえるだろう。

だから、「サンローラン」の服は、服それだけではなく、着る人を含めてスタイルが成立する。前出の3人のようにミューズを立て、ショー会場には「サンローラン」の粋を体現するセレブリティーを大勢招くのも彼らのルックスや立ち振る舞いを含めて「サンローラン」というブランドが成立するからだ。ビアンカとドヌーヴは今季もショー会場に姿を見せた。

1/2ページ

最終更新:3/11(月) 15:10
WWD JAPAN.com

記事提供社からのご案内(外部サイト)

WWD ジャパン

INFASパブリケーションズ

2089号
2019年6月24日発売

定価500円(税込み)

販売員特集2019 ファッションの最前線には彼らがいる!

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事