ここから本文です

NYを魅了、メトロポリタン美術館「源氏物語展」

3/13(水) 12:24配信

Wedge

 3月5日から、ニューヨークのメトロポリタン美術館で「The Tale Of Genji」(源氏物語)特別展示会がオープンした。6月16日まで、およそ3カ月余り開催される。

 世界でも最大規模の一つであるこのメトロポリタン美術館が創設されたのは、1870年のこと。現在17部門に分かれていて、今回の源氏物語展が開催されたのは、アジア美術部門の日本美術セクションである。このアジア美術部門だけでも、3万5千点以上のコレクションが保管されているという。

 今回の「Tale of Genji」は、これまで日本の外で開催された源氏物語をテーマとした美術展として、最も包括的な展示会とされている。

 屏風や絵巻物、書などからマンガのイラストまで、約120点が8テーマに分けて展示されており、目玉の一つである俵屋宗達の屏風など、中にはこれまで国外不出だった国宝も含まれている。

「レイディ・ムラサキ? レイディ・ガガなら知ってる」

 五番街に面している正面玄関の横には、土佐光起の手による紫式部の肖像画が、巨大な展示会ポスターとなって飾られている。 

 この入り口の階段の部分には、天気の良い日は大勢の観光客たちが座り込み、飲み物などを手にしながら疲れた脚を休める。

 「レイディ・ムラサキ(紫式部の英語名)を知っていますか?」と観光客らしい女性の二人連れに声をかけると、

 「レイディ・ガガなら知っているけれど」と、お茶目な返事が返ってきた。才能ある女性という意味においては共通しているけれど…。

 あなたの後ろにあるポスターの女性ですよ、今から千年前に世界で初めての長編小説を書いたとされる日本の貴族です、と答えた。

 ああ、展示会は見たわ。すばらしかったです、との答え。筆者もさっそく入り口の荷物検査を終えて、中に入った。

石山寺の僧侶によるお清め式も

 ロビー中央の大階段を上がりきって右の通路をたどっていくと、アジア美術部門の入り口がある。最初の数部屋には古代中国美術が展示され、突き当りを左に曲がると日本ギャラリーへのガラス戸がある。

 ドアを開けて入った正面には、石山寺の本堂が再現されていた。滋賀県大津市にある寺で、紫式部がここに来た際に源氏物語の執筆のインスピレーションを得たといわれている古刹である。ポスターに使用された紫式部の肖像画も、ここに保存されているという。

 祭壇の上には仏像が配置され、照明が落とされて神秘的な雰囲気が演出されている。

1/2ページ

最終更新:3/13(水) 12:24
Wedge

記事提供社からのご案内(外部サイト)

月刊Wedge

株式会社ウェッジ

2019年6月号
5月20日発売

定価500円(税込)

■特集 漂流する部長課長―働きたいシニア、手放したい企業
■米国の出口なき中東戦略―イランの「脅威」を煽るトランプの思惑
■再エネをフル活用しても脱炭素社会は幻想

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事