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ゲイであることを隠すために付き合った女友達が、十年後に教えてくれたこと

3/14(木) 17:00配信

文春オンライン

連載「僕が夫に出会うまで」

 

2016年10月10日に、僕、七崎良輔は夫と結婚式を挙げた。幼少期のイジメ、中学時代の初恋、高校時代の失恋と上京……僕が夫に出会うまで、何を考え、何を感じて生きてきたのかを綴るエッセイ。毎週連載。

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(前回までのあらすじ)中学生になった僕は、親友の司に恋をした。放課後や塾帰りに顔を合わせていたが、司に彼女ができたことで距離ができてしまう。

 

久しぶりに遊びに行った部屋で、何を思ったのか司が覆いかぶさってきた。僕は司を力いっぱい払いのけて、自分にこう言い聞かせた。「これでよかったのだ。きっと、司も冗談で跨ってきただけだ」「僕は男なんだから、男を好きになるのは何かの間違いなんだ」と。

 

(#1「 とある夫夫(ふうふ)が日本で婚姻届を出したときの話 」を読む)

( 幼少期編 ( #2 ・ #3 )を読む)

( 中学生編 ( #4 ・ #5 ・ #6 ・ #7 ・ #8 )を読む)

(前回の記事「 男友達に片思いした僕が、彼の部屋に行ったときに起きた出来事 」を読む)

 実は僕も、中学時代に彼女を作った事がある。それは自分への挑戦でもあったのかもしれない。

 なんせ自分をゲイだとは思ってもみなかったので、男は女と付き合うものだと無条件に信じ込んでいたし、僕に彼女ができれば、司と秀美と僕の三人デートで僕だけ虚しい想いをする事はなくなり、歴(れっき)とした「ダブルデート」として司と一緒にいられる時間が増えるという計算もあった。

 だから「さくら」との付き合いも、僕にとっては「好きだから付き合う」という純情なものではなかった(もちろん人としては好きだったが)。

「スケバン」のような格好をして、破天荒だったさくら

 付き合う事になったのも、さくらの強い「押し」だったと記憶している。校内でも目立つ存在だったさくらはいつも元気いっぱい、破天荒。女子達がどれだけスカートを短くして、ルーズソックスをゆるゆるにして履くかで躍起になる中、さくらだけはくるぶし丈の靴下を履いて、スカートをくるぶしまで長くして穿き、まるでいつかの時代の「スケバン」の様な姿で毎日廊下をガニ股で歩いているような女子だった。

 彼女ができたといっても、僕の気持ちはさくらにはなく、司に一直線だ。

 さくらの唇や、髪や、肌なんかよりも、司の脇に顔を埋めたいと思っているのだから、さくらにとって僕は物足りない彼氏なのは当然だ。

 手を繋ぐのも、僕のファーストキスもさくらから半ば強引にされたように思う。キスの時は二人ともお酒の力を借りた。

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最終更新:3/15(金) 11:00
文春オンライン

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