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認知症母の預金を使い込み!?「家族間の財産管理」の危ない実態

3/14(木) 14:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

高齢になると判断能力が低下してしまい、望まないかたちで財産を失ってしまうケースは少なくありません。本記事では、「家族間の財産管理」の危ない実態を見ていきます。

親の介護費用を誰が出すかで険悪に

財産管理をめぐるトラブルは、赤の他人ばかりが引き起こすものではありません。むしろ、身内がトラブルの火種となり、他の身内を巻き込んでの大トラブルに発展するケースの方が多いのです。

〈事例1〉

A子さんは80代の女性です。認知症が進行して、自分の身の回りのことはもちろん、家族のことも認識できなくなり、人との会話も成立しない状態になったため、現在、介護付き有料老人ホームに入居しています。A子さんには夫と3人の娘がおり、ホームに入居する前は、夫、離婚して家に戻ってきた次女との3人暮らしでした。

A子さんの入居費は毎月30万円で、夫の年金から支払われています。夫は大学卒業後、一部上場企業に勤務し、定年まで勤め上げたので、夫が生きているうちはA子さんの入居費を年金でまかなうことができます。

しかし、父親と一緒に暮らしている次女は、気が気ではありません。それには2つの理由があります。

一つには、父親の方が先に死去した場合、遺族年金に切り替わって年金額が減るため、年金だけでは足が出てしまうこと。もう一つは、「父親まで施設に入ることになったらどうしよう」ということです。

両親には1000万円の預貯金がありますが、それを使い果たしたら、自分たち子どもが分担して、父親の年金では足りない分を補うしかありません。そこで、姉と妹に相談したところ、妹である三女から思いがけない答えが返ってきました。

「私はお金は出せない」

と言うのです。三女は子どもを連れて離婚しています。公的な資格を持った仕事に就いてフルタイムで働いている上に、結婚していたとき双方の親がかなりの額を援助して建てた家に住んでいることもあり、経済的にそれほど困窮しているとは思えません。

「私にばかり親を押し付けて、お金を出せないとは何ごと!」

と、次女は怒りを隠せません。

A子さんの場合、比較的入居費の安価な特別養護老人ホームに申し込みをしたときは、すでに1000人の予約待ちという状況でした。

公立学校の教師をしている次女が、「もうお父さんには、お母さんの介護は無理なんじゃないの? 私も今、仕事を辞めるわけにはいかないので、お母さんには施設に入ってもらいましょう」と何年も前から訴えていたのに対し、高齢の父親が「最後まで自分が面倒を見る」と頑として譲らなかったため、事前の準備もできず、対応が後手後手に回ってしまったのです。

どんなに父親が頑張っても自宅で面倒を見ることは不可能という状態になったとき、入居できる場所は、費用の高い民間の介護付き有料老人ホームしかありませんでした。

このように、夫婦の一方がすでに認知症を発症しているのに、もう一方が、

「そんなところに入れるのはかわいそうだ。家にいるのが一番いいに決まっている。自分が責任を持つから大丈夫」

と譲らず、子どもを困らせるというのは、よくあることです。

本来であれば、配偶者が認知症と診断された時点で、将来的に家で過ごすことができなくなったときのことを予測し、施設をあたっておいたり、費用をどこから捻出するか考えたりしておくべきでしょう。

特に、同居している子どもについては、他の兄弟たちよりも大きな負担がかかってきますから、特別な配慮が必要です。このケースでは、三女が家を建てるときに援助をしたことで、親の預貯金を大きく減らすことになりました。

そのこともあり、結果として親の面倒を見ることになった次女が、

「私が一番、貧乏くじを引かされている」

と憤慨するのも無理はありません。

現在、姉妹は音信不通状態になっています。両親が、自分たちの老後をしっかり見据えて対策を講じることを怠ったための悲劇といえるでしょう。

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