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東急電鉄が目指す新しいビジネスモデル「私鉄3.0」とは何か

3/14(木) 11:01配信

現代ビジネス

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東横線、田園都市線をはじめ、「住みたい路線」アンケートでつねに上位にランクインしている東急電鉄。同社の現役執行役員で、著書『私鉄3.0』(ワニブックス刊)もある東浦亮典氏は、私鉄のビジネスモデルの変化と、その未来について提言を行なっている。これから私鉄は、そして私たちが暮らす街はどう変わっていくのか? 東浦氏が未来を語る。
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「通勤モデル」はもう古い

 従来のいわゆる「私鉄ビジネスモデル1.0」時代は、郊外で宅地販売して沿線住民を増やし、通勤電車で稼ぎ、都心ターミナル駅では駅前、駅上に百貨店などの施設を構えて稼ぐというモデルでした。このモデルがあまりにもうまく成功したため、阪急の小林一三から学んで以来、相当長い期間同じモデルで事業を展開してきました。

 しかし、近い将来首都圏も人口減少に転じ、高齢化が進み、経済が成熟してくる時がやってくると考えた場合、次世代の私鉄ビジネスモデルはどうあるべきでしょう。

 いつの時代にも人は稼がないと食べていけません。この真理は変わらないとするならば、テクノロジーの進化や産業構造の変化の影響もあって、働くことに対する意識が社会的に大きく変容していくのではないでしょうか。

 大学卒の若者が猫も杓子も一流企業への就職を目指し、大体同じようなキャリアを歩んで、同じ時期に一斉に定年退職するというようなスタイルは減っていきそうです。有能な人材は自己の能力を活かして、自らの人生設計の中でもっと自分らしいワークスタイル、キャリアを選んでいく時代が近づいている気がします。

 全ての人がそうなれるとは限りませんが、特定専門分野を生かした働き方をする人は、あまり場所や組織に縛られなくなってくるだろうと考えられます。自分が一番心地よい、あるいは知的好奇心を満たせるような場所を選んで、職住近接の働き方をするようになるのではないでしょうか。

 その時は、通勤モデルではなくて、鉄道などのモビリティを比較的短い距離でも頻繁に使ってもらう「交流モデル」が成立してくるでしょう。そうした時にも東急沿線を選んでもらうために大事なのは、地域に最適な投資や開発を行って、魅力的な場所(ハニースポット)をつくりだしていくことがキーポイントになります。

 つまり今の二子玉川のように、働く場所に幅を広げ、もう少し居住地に近いところでも自分らしく楽しく働ける環境を整備していくことです。

 二子玉川ライズの楽天もその成長スピードにオフィス床が足りないという事態になっていますが、今後もこの流れは加速していくことが期待されます。ライズほど大きなビルを造らなくても、シェアオフィスやスモールオフィス、コワーキングスペースなどを造ることでも働く場所はどんどん広がっていきます。

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最終更新:3/14(木) 11:01
現代ビジネス

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