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景気は絶好調なのに、なぜ実感できないのか (塚崎公義 大学教授)

3/15(金) 6:31配信

シェアーズカフェ・オンライン

失業率を見ても企業収益を見ても、景気は絶好調です。しかしそれが実感できていない人が多いようです。今回はその理由について考えてみましょう。

■景気は絶好調
「景気」という統計はありませんが、経済政策の目的は「インフレと失業の無い経済を作る事」だと考えて良いでしょうから、その観点から現在の日本経済を見ると、ほとんど理想的な姿となっています。

失業率は極めて低い水準で推移しています。高度成長期よりは高いですが、それは当時と事情が異なるからです。当時は工場の製造ラインで働く仕事が多かったのですが、今は「パソコンのできる人を募集」といった仕事も多いですから、雇用のミスマッチが生じやすいです。また「親の介護をしながら働きたい」といった労働者も、当時は少なかったでしょうが今は大勢います。

インフレ率は、日銀が目標とする2%には達していませんが、マイナス圏を脱してプラスとなっていますから、デフレは脱却したと言って良いでしょう。デフレでさえなければ、2%に拘る必要はありません。「どちらかと言えば1%より2%の方が良いかも知れない」といった程度の話でしょう。

企業の利益も史上最高水準です。海外子会社からの配当が貢献している部分は国内景気とは関係ありませんが、それを除いても高水準である事には違いありません。日銀短観などを見ても、企業は人員も設備も足りないと感じていて、設備投資にも積極的です。

鉱工業生産指数が伸び悩んでいるため、景気動向指数は今ひとつですが、経済に占める製造業のウエイトは従来より遥かに小さいので、気にする必要は無いでしょう。そもそも労働力不足で鉱工業生産が伸ばせない、といった事情もあるわけですから。今後は労働力不足に対応した省力化投資が進んで、鉱工業生産が伸ばせるようになると期待しましょう。

■デフレマインドが景況感を悪化させている
バブル崩壊後の長期低迷期、日本経済は「良い事があっても長続きせず、再び悲惨な目に遭う」という経験を何度もしました。そこで「今は良いけれども、どうせ遠からず悪い事が起きるのだろうから明るい気分になれないし消費や投資を増やす気にもなれない」という企業や個人が大勢いるわけです。

そうしたマインドの事を「デフレマインド」と呼ぶ人が多いようなので、本稿もそれに倣います。デフレというのは物価の持続的下落の事ですが、それとは異なる意味の言葉だ、という事ですね。

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最終更新:3/15(金) 7:10
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